子供のしつけ/子供の上手な叱り方・NGな叱り方

幼児から小学生まで! 考える力を育む叱り方のヒント(2ページ目)

3歳代になり、言葉の使い方も巧みになってくると、交渉能力が芽生え始め、言葉で考える力も育っていきます。頭ごなしに怒って、子どもの考える力やチャンスを奪うのではなく、子どもが考えて行動する力が育つようサポートする叱り方について、考えてみます。幼児期だけでなく、小学生になってもポイントは基本的には共通です。

執筆者:千葉 美奈子


 

 

3.「ごめんなさい」を言わせることに固執しない

親子と虹

信頼関係を築きながら、しつけをしていければいいですね

小さな子というのは頑固なもので、なかなか「ごめんなさい」を素直に言わないことがあります。

ようやく「ごめんなさい」と言ったとしても、

子・ふてくされて「ごめんなさい」→親「ちゃんと言いなさい」→子・語気荒く「ごめんなさい!」→親「本当にごめんなさいって思っているの?」とエスカレート……。などという場面、子育てにはよくあるものですが、子どもはこのやり取りの中で、既に謝る目的がわからなくなっていることが非常に多いものです。

親は時に「ごめんなさい」を言わせることに固執してしまいますが、なぜそれがいけないことで、なぜ相手に謝らなければいけないのかを考えた上で出てくる「ごめんなさい」でなければ意味がありません。

まだ2~3歳の場合は特に、お友だちに手が出てしまったり泣かせてしまったりした時にも、「ごめんね」となかなか言えないと思います。親にできることは、子どもがまだ謝れない場合にも親が謝る姿を見せ、その後、なぜ謝るのかを話して聞かせるという地道な作業。成長とともに少しずつ、「考えたうえで自分の言葉で謝る」こともできるようになっていってほしいですね。

 

4.目の前のことに絞って叱る

子どもに小言を言っているうちに、「あの時もそうだった」と過去のことを持ち出し、いつの間にかその過去のことに焦点が移り、ダラダラグチグチと言い続けているうちに怒りが増幅、当の子どもは結局何で怒られているのかわからなくなってしまう……。こんな経験はないでしょうか。そこなでいかなくても、ついつい、「あなたは前もそうだった」と過去のことを持ち出してしまうことはないでしょうか。

関係のない過去のことを持ち出された時、子どもでも大人でも、その相手に落胆、不信感、いら立ちなどの感情を抱きます。また、小学校高学年ぐらいでも、複数のことを持ち出されると、反省のポイントがよくわからなくなってしまうものです。自分で考えて次の行動を取らせるためには、目の前のことに絞って叱った方が効果的です。

 

5.嘘をつかれない聞き方を工夫する

子どもは追いつめられるとつい嘘をつき、嘘が見えると大人は「何で嘘をつくの!」とさらに子どもを追い込みがちです。子どもが嘘をつく理由は単純明快で、「怒られたくないから」「怒られると怖いから」。

少し聞き方を工夫するだけでも、子どもの嘘は防ぐことができます。例えば、「これ、誰が壊したの?」ではなく、「これ壊れちゃったんだ。どうしてこうなっちゃったの?」と聞くことで、「まずは説明を聞いてほしい」という子どもの気持ちを引き出せればいいですね。説明を冷静に聞いているうちに、親の方も「まあ、仕方ないか」と思えるかもしれないですし、お互いが冷静であれば、今後こういうことがないようにどのように気をつけるかも、建設的に話うことができます。

成長すればするほど子どもも自我が育ち、大人の言動も非常によく見ています。日々のしつけは、親から子へ「言って聞かせる」だけのものではなく、信頼関係が築かれていく中で親の思いが子に伝わり、子もそれに応えようとする部分も非常に大きいと感じます。

怒って追いつめてしまうのではなく、解決策を自分で考えさせたり一緒に考えるというのは、字で書くと簡単そうですが、とても根気の要る作業。私自身も現在、3歳児、小学生3人、中学生の子どもたちと日々向き合う中で、試行錯誤しています。

 

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