今回の京都のニュースが流れる前から、「民泊」「Airbnb」といった言葉をテレビや新聞で見かける機会は多くありました。特にここ数ヶ月はニュースで特集されることもあり、かなり認知度も上がっています。しかし、この「民泊」問題、今ひとつ良くわからないという人が多いです。今回の事例をもとに「何が問題だったのか?」を考察してみました。
民泊はどこまでが許され

民泊はどこまでが許される?

旅館業法とは?

まずは旅館業法について簡単に説明しましょう。旅館業法で許可が必要とされる旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」です。ですので無料で宿泊させることは旅館業にはあたりません。また、生活の本拠をおくような場合は「宿泊させる」ことにはならないため通常の貸家は旅館業にはあたりません。

ここまでの情報で考えると、旅行者を自宅に泊める「民泊」は違法にみえます。すくなくとも「Airbnb」に登録しているお部屋は「宿泊料を受けて人を宿泊」させています。が、ポイントは最後の「営業」という部分。「違法だ!」と断定されるにはここの部分を立証する為に調査等が入ることになります。

「グレーだ」という意見も、「クロ」だという人もいますが、実害がそれほどなく実質的に「営業」されている件数も多いので黙認状態であるというのが一般的な見解です。

違反となる事例

ところで先日、京都市内でマンションの空室をホテルに転用し外国人観光客を宿泊させたとして旅行会社顧問等が旅館業法違反の疑いで事情徴収されることになった、というニュースがありました。今回の件はなぜ書類送検されるような自体に発展しているのでしょうか?

ポイントは二つあると考えます。

1、プロが組織的に行っていた
今回、旅館業法違反の疑いが持たれているのは旅行代理店関係者等で、運営されていた部屋も36室。大型バスで宿泊客が乗り付け、朝ご飯の提供迄していたそうです。これでは、ホテルそのもの、ですね。

2、近隣や住民から再三クレームが出ていた
報道によれば、近隣住民の方等から再三警察や役所に苦情が寄せられていたそうです。

空き部屋の問題は慎重に

観光客増加による地域活性化、ホテル不足の解消、空き家問題の切り札、といった視点から規制緩和を前向きに検討されている民泊。推進の動きに水を差さないようにある程度は多めに見られていたものが、あまりに度が過ぎたので、また地域住民に迷惑をかけたのでお灸を据えられた。と行ったあたりがことの真相ではないかと思われます。

旅館業法が施行されたのは戦後間もない頃。その後改正はされていますが「マンション・一戸建を、個人が気軽に貸す」ということは想定されていません。今、「民泊」については法整備が追いついていません。先月(2015年10月)には大阪府で全国初となる「民泊条例」が可決成立、東京都大田区もそれに続く見通し、といった動きもありますが、多くの行政では行政側も取扱に困っているというのが実態です。

もし皆さんが、一戸建の空き家、マンションの空室をお持ちであれば、管轄の市役所等にお問合せされることをおすすめします。一般的なことは電話で、個別については窓口で相談に乗ってもらえますよ。


【参考記事】
マンション空室、ホテルに無断転用した疑い 書類送検へ
マンション民泊業者聴取へ 京都、旅館業法違反疑い
→京都市右京区の民泊に捜査の手が入ったニュースです
東京に“民泊”特区
→NHKのニュースで「民泊」について特集された際の記事です


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