高校受験/高校受験に向けた親の心得

親子で受験の合格脳をつくる「魔法の挨拶」とは?

受験期に親ができる最大の応援、それは毎朝1日の始まりに「合格おめでとう」と笑顔で言うこと。これは子どものやる気を一気に向上させます。その結果成績は向上し子どもの精神状態はとても健やかになります。今回はその方法を解説します。

梅原 伸宏

執筆者:梅原 伸宏

学習・受験ガイド

こどもの脳を「合格脳」に変えるために

受験、合格、親子

朝の魔法の挨拶

今回は親子で「合格脳」をつくる方法、「魔法の挨拶」についてお伝えしましょう。親が直接勉強のサポートをする機会はあまり多くはないですが、受験対策の精神的な応援する方法はあります。この合格脳をつくる方法は、私が高校の野球部を指導し甲子園や全国大会にいくための裏ワザとしてセミナー、講演会などで紹介してきた方法を受験生用に改良しました。この方法を使うことで、絶対に無理だと思われた志望校に見事合格した受験生が過去に何名もいました。合格脳をつくる方法、それは「朝の挨拶を見直す」ことです。

なぜ、朝の挨拶がいいのか?

1日のはじまりである朝は、睡眠から起きたてなので、まだ脳がしっかり機能していません。昼間のはっきりしている時より、朝起きた時や寝る前に未来の夢をイメージすると叶いやすい、という脳のメカニズムについては「思考は現実する」の著者のナポレオン・ヒル博士も提唱されています。多くの成功者が寝る前に未来の夢、願望を書いて枕元に入れて朝それを起きたらすぐに音読してイメージしていたのもそのためです。

脳にしっかりインプットすると、脳はそのことを達成したように感じ、すべての物事を自分勝手に都合よく解釈するようになります。だから単純に 親「おはよう」子「おはよう」とだけにせず、まだ受験を迎える前から毎朝、親から「合格おめでとう。よかったね」と笑顔で声をかけてあげてほしいのです。子どもも「有難う、高校でクラブ頑張るよ」といった志望校での予定ややりたい事を笑顔で答えるようにします。挨拶の繰り返しで脳は「すでに合格した未来の後の感情」を持ちます。このプラスの感情が大切なのです。人は感情80%理性20%の生き物です。

人の未来を左右する4つの要素

「人の未来をつくるものは何か」これを突き詰めて考えると、たった4つしかないこのです。それは次の4つです。

(1)思考   (2)言葉  (3)行動  (4)未来のビジョン

このなかで(1)思考と(3)行動は、今まで培った長い年月の習慣や癖によるもののため、簡単に変えることは難しいでしょう。そこで最初に(4)未来のビジョンを明確にし、次に(2)言葉を変えることで未来を変えるというのが、この魔法の挨拶の仕組みです。

なかでも先ほどお話した通り、朝の挨拶を意識することは、とても大きな武器になります。まずは将来、志望校で何をしたいのか、何を学びどんな友人たちと出会いたいのか、それは将来の自分にどう役立つのか、について、一度親子で考えてみましょう。すると親子の共通の目標が明確になっていきます。そして、親子で共通の目標が見つかることで、それぞれ親子独自の素晴らしい挨拶も見つかると思います。

最初は「おはよう!合格おめでとう」「ありがとう!今日は英語頑張るよ」のように簡単なもので十分です。まず思考に方向性を持たせることが大切だからです。方向性を持つことで、脳は何倍もの力を発揮するのです。

では挨拶と思考の方向性はどこが関係しているのでしょうか?挨拶の起源を少し学ぶとわかります。

挨拶の語源

私たちが普段何気なしに使っている挨拶とは、もともと禅問答の一つである「一挨一拶(いちあいいちさつ)」が進化変化したものと言われています。禅問答とは禅宗の修行法の一つで、修行者が疑問を問い、師家(しけ)がこれに答えるという問答から徐々に変化し、お互いの学びを深める究極の質問回答方法になりました。上級者になると横にいる人には何を言っているのか、はたから分からない問答になることもあるそうです。

つまり、挨拶とは、言葉のやりとりを通して、自分たちの心や考え、人格を磨く、独特なコミュニケーションなのです。禅問答とは、まさに言葉のキャッチボールです。 この言葉のキャッチボールに、未来のイメージ(成功の感情の先取り)のアレンジを加えて、親子独自の朝の挨拶をつくっていきましょう。この挨拶のアレンジが子どもの脳を徐々に合格脳に変えていくことができるのです。

「インパクト」×「繰り返し」=自分の理想の未来創り

受験、合格、親子

合格シーン(イメージ)

人は1日約6万回思考するといわれています。起きている時間を16時間とすると1秒間に約1回は思考することになります。その思考がある一定の臨界量(飽和状態)になると一気に願望達成に加速します。この魔法の挨拶が合格脳をつくる理由は、インパクト×繰り返しです。朝1発目の挨拶に、「合格おめでとう!」「ありがとう!毎日楽しいよ」。これはインパクトがあります。

 
合格した後の子どもの笑顔、充実した顔を想像してください。その時の感情を思い浮かべて毎朝、子どもの今日1日の学習が充実できるよう挨拶をお互い元気よくキャッチボールしてください。受験で大変な子どももその大きな後押しを感じると思います。

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