花王の株価はこのまま上昇する?
10月23日、花王<4452>は、2015年12月期の第3四半期決算短信を発表しました。売上高1兆625億円(前年同期比+5.5%)、四半期純利益682億円(前年同期比+34.6%)と素晴らしい業績でした。その後の株価も堅調ですが、このまま上昇が続くと期待できるのでしょうか?
世界経済の情勢も悪化しているようですから、慎重な対応が必要です。
EPSは増加基調で、株価もそれに比例するように上昇基調!
過去からの1株当たり当期純利益(以下、「EPS」といいます。)の推移を見てみましょう。下の図は、花王のEPSに20を掛けた金額の推移を棒グラフにしたものです。(以下、「バリューチャート」といいます。)1997年から2014年までの推移を表示しています。このグラフを見ると、花王のEPSは、リーマンショック時に減少したものの、その後5年間でリーマンショック前の水準まで戻し、過去最高水準にまだ達しています。それでは株価の推移をこれに重ねあわせてみましょう。
バリューチャートに株価の推移を重ねあわせてみると、おおむねではありますが、両者のトレンド・水準が一致していることがわかります。つまり、バリューチャートが増加トレンドの時には株価も上昇トレンドとなっています。また、バリューチャートの水準と株価の水準は、同程度かやや株価の方が高い水準となっています。なぜ、このようにバリューチャートと株価は、長期的には一定の相関関係があるのでしょうか?
「株を買う=株主になる」 株主が得られる利益が増えれば、株価も上がる。
忘れてしまいがちですが、株を買うということは、その企業の株主になるということです。花王の株を買えば、花王の株主になるわけです。株主は、その持株数に応じて権利を持っています。例えば、配当金をもらう権利。株主であれば、その持株数に応じて配当金をもらうことができます。また、万が一会社が解散したときには、その持株数に応じて残余財産を分配してもらう権利もあります。会社の利益が増えれば、もらえる配当金も増加します(正確に言えば、配当金をもらう原資が増えます。)。利益が100円から200円に増えれば、将来もらえる配当金も同じだけ増えます。会社が利益を稼ぎ、配当せずに社内に蓄積されれば、万が一会社が解散したときにもらえる残余財産が増加します。このように会社の利益と、株主がもらえる配当金や残余財産は比例関係にあるわけです。
したがって投資対象銘柄を選ぶときには、長期的に利益が増えるかどうか?がとても大切になります。
長期的に利益が増えるならば、長期的に株価の上昇も期待できますし、長期的に利益が増えないのであれば、長期的な株価の上昇も期待できません。