株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

日銀追加緩和なしでも大幅上昇となった理由

10月30日に発表された日銀金融政策決定会合の結果は追加緩和無しという結果でした。しかし、株価は大きく上昇しています。なぜでしょうか?今回はその理由と、今後の見通しを考察してみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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同じ「現状維持」でも大幅上昇!相場の基調は非常に強い!

2015年10月22日のECBドラギ総裁発言(実質上の12月追加緩和宣言)で大きく上昇していたナスダック総合指数は、過去に揉み合った節目の5,000ポイント位置にあたり、そこで3日連続の気迷い短線を出しました。しかし10月28日のFOMC声明発表で現状維持(利上げなし)が発表されると、大きく伸びて高値引けし、強い陽線で上にブレークしました。その後、若干調整していますが、非常に強いチャート形状となっています。

抵抗線である5000ポイントで3日横並び後、FOMCで一段高となった米国のナスダック総合指数。非常に強いチャート形状です

抵抗線である5000ポイントで3日横並び後、FOMCで一段高となった米国のナスダック総合指数。非常に強いチャート形状です

9月のFOMCでも今回と同じ「現状維持(利上げ見送り)」と発表されたのでしたが、株価は直後から大きく下げて行きました。しかも、9月のFOMCでは同じ現状維持でもその後の利上げが遠のいた感じで、今回は逆に12月の利上げを示唆する声明となっております。同じ「現状維持」発表であったのに正反対の株価反応となった点に投資家は注意しなければならないでしょう。これは非常に相場の短期トレンドが強い基調であることを示唆しています。

日本株も、日銀追加緩和なしでも大幅上昇へ

やはりポイントは外国人投資家の動き

やはりポイントは外国人投資家の動き

10月30日の昼休み中に発表された日銀金融政策決定会合の結果についても同じ事が言えます。事前には「追加緩和=株価上昇」、「追加緩和なし=株価下落」と見られていましたが、結果は「追加緩和なし→株価大幅上昇」となったのです。ある証券会社は追加緩和なしとなった場合、日経平均1万8,500円割れを予想していましたが、結果は1万9千円台に乗せるほど上昇しました。

ではどうして、日銀の発表が期待はずれとなってにもかかわらず株価が上昇したのでしょうか。それは、前述のナスダックの株価の流れを見ても分かるように、世界の株価のトレンドが、明らかに強気となっているからです。世界的金融緩和を再確認!日経平均はどこまで上がる?でも書きましたが、ポイントはやはり外国人投資家なのだと思います。米国株が非常に強い基調で推移している中、日本株もそれに追随した動きになっているわけです。

したがって、外国株、特に相場のムードに一番敏感なナスダック総合指数の短期トレンドがどうなっているかを把握することは日本株投資にとっても重要だと思います。ともあれ、何か大きなショックがあって現在のトレンドが変わらない限り、年末年始までは株価の更なる上昇が期待できるところだと思います。

参考:グローバルリンクアドバイザーズの最新投資ブログ

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