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犬にどこまでお金をかける? 愛犬の飼育費用

犬を家族や人生のパートナーとしてとらえる人たちが増え、犬の寿命も延びたことから、愛犬にかけるお金も増える傾向にあります。みなさんは愛犬のためにどのくらいの費用をかけていますか?

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

今や売り上げが1兆4000億円を超えると言われるペット産業市場(※1)。そこにビジネスチャンスを求め、他の業界からペット産業に参入してくる企業や会社も数多くあります。1兆円など想像もできませんが、その一部分は私たちが愛犬のために何らかの費用として支払ったお金であるわけです。


犬へのお金のかけ方が変化している

大切な君のためだから……

益々親密になりつつある人と犬との関係。それにつれて飼育費用も増加傾向にあると考えられる/ (c)clover/amanaimages

アメリカペット製品協会(American Pet Products Association/APPA)の発表によれば、アメリカにおいて2015年は7兆円を超える市場売り上げが見込まれているそうです。17年前の1994年は約2兆円。市場売り上げは着実に上昇しており、この間、ざっと3倍以上になっている計算になります(※2)。

こうした現象について、アメリカペット製品協会のCEOであるVetere氏は、「私たちがペットを“人化”した表れである」というコメントを残しています。

日本での犬の飼育頭数は推定約1,035万頭、猫が996万匹(※3)。一方、アメリカでは一般家庭で飼育されている犬が約5,440万頭、猫は約4,290万匹、その他も含めるとトータルで犬が約7,780万頭、猫は約8,580万匹ということですから(※2)、日本とは飼育頭数自体がかけ離れていること、そして大型犬の方がより好まれるという状況からも市場売り上げが多くなるのは.当然でしょうが、ペットに対する微妙な意識の変化もうかがえます。

長い間、欧米人はペットを家族のように大切に扱いながらも、宗教観の違いもあってクールな面もあるというイメージでした。つまり、「犬は犬である」というふうに。しかし、近年ではより密接な関係に発展しているのかもしれません。余談ですが、アメリカでは結婚して子供を得るより、犬と暮らすほうを選択する若者が増えているという話もあります。


愛犬にかける費用

翻って日本ではどうでしょう? ペット向けのサービスも増え、特にシニア犬をターゲットにしたサービスや商品は成長が見られます。依然として洋服やオモチャ類も人気で、愛犬にいくつも買い与えている人も多いことでしょう。

本来、理由がない限り、犬に洋服は必要ありません。オモチャも2~3個お気に入りのものがあれば、犬にとっては充分でしょう。それでもつい買い与えたくなってしまうペットオーナーの性。そこをうまく突かれる商品に出会うと、お財布の紐も緩んでしまいがちです。

言ってみれば、医療や介護、フード類などどうしても必要なものはともかく、私たちの自己満足で犬に買い与えているもの、お金を使っているものというのは意外に多いのではないでしょうか。その行為にこそ喜びを感じる部分もあるのかもしれませんが。 

動物医療も含め、ペット向けのものは「サービス業」ですから、中には高額なものもあります。医療に関しては、だからこそペット保険をと言われるものの、その保険料も決して安くはありません。

では、犬の飼育費は平均的にどのくらいなのか?というと、調査をした会社によって結構ばらつきがあります。
  • 年間平均35万9,151円(アニコム損害保険株式会社「毎年恒例!ペットにかける年間支出調査」2014年より)
  • 月平均9.721円(少額短期保険会社ペット&ファミリー「ペットの飼育費に関する家計簿調査」2014年より)
  • 年間平均22万1.255円、月平均1万8.438円(ペット総研「教えて!愛犬の飼育費」2015年より)
  • 年間19万7.424円(American Pet Products Association/2015-2016 APPA National Pet Owners Surveyより)
日本の場合、ペット産業の視点からも介護用オムツを含むトイレ用品の売り上げが結構伸びているということですが、一般オーナー側の出費から見ても実際上昇傾向にあるようです。自分のお金をどう使おうと、それはその人の自由。しかし、今後は益々シニア犬が増えるだろうと予測される中、人間同様、愛犬の老後のことも考えて賢くお金を使う必要があるのではないでしょうか。

そして、何不自由なく暮らせる環境にある犬たちも多い裏では、劣悪な環境の中、ろくな食べ物も得ることができない犬たちや、命を全うすることすら許されない犬たちも世界には数多くいるのだということをどうか忘れないでいてやってください。


参考資料:
(※1)ペットビジネスに関する調査結果2014/株式会社矢野経済研究所
(※2)Pet Industry Market Size & Ownership Statistics/American Pet Products Association
(※3)平成26年全国犬猫飼育実態調査/一般社団法人ペットフード協会
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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