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夫婦円満のコツは妻・母をがんばり過ぎないこと

【連載・夫婦に聞く】結婚10年以上経ってもラブラブの「仲良し夫婦」に夫婦円満のコツを伺うインタビュー企画。今回は、自営業をしている川北英孝さん(46歳)、実花さん(46歳)の共働きのご夫婦です。結婚して23年、20、18、12歳の三人の息子さんがいます。

執筆者:藤嶋 ひじり

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楽しそうな夫婦

実は、実花さんの旧姓も川北。運命的な出会いなのかもしれませんね


仲良しの秘訣は「相談」や「不満」から導くアドバイスもありますが、うまくいっている人に話を聞いてみたいと筆者は考えました。そこで結婚して10年以上経つ「仲良し夫婦」に夫婦円満のコツをインタビューしてきました。

【夫婦に聞く】相手への「疑問」は想像せずに直接聞くに続いて、3回目は、大阪で自営業をしている川北英孝さん(46歳:仮名)、実花さん(46歳:仮名)の共働きのご夫婦。結婚して23年、20歳・18歳・12歳の3人の息子さんがいます。笑いの絶えない楽しいご夫婦です。


ガイド藤嶋(以下、ガイド):お二人の結婚の決め手について伺えますか?

夫・英孝さん(以下、英孝):気を遣わなくていいし、彼女の天性の愛想の良さみたいなものがあって、どんな話も笑ってもらえるのがうれしかったですね。僕、三人兄弟の末っ子なんで、注目しててくれるかどうかが重要なんです(笑)。

妻・実花さん(以下、実花):結婚前の理想の条件が、私の場合、高収入・高学歴というのは一切なくて「自分のことは自分でできる人」。それに合ってたのもあるけど「この人と結婚しなければ、私は今のまま変わらないかもしれない」って思いました。正反対のタイプなので。

英孝:そうかな? 僕は自分から合わせるのが苦手で、合わせてくれることがありがたかった。待ち合わせで遅れてもいつも待っててくれるし。

実花:お互い結婚を意識せずにつきあってたよね?

英孝:そうやね。当時、僕は東京にいて28,000円の部屋に住んで貯金もしてた。でも電話代は80,000円(笑)。それなら一緒に住もうかと。

実花:タイミングかな。熱烈な恋愛ではない。近距離なら結婚してなかったかも?(一同笑)

ガイド:夫(妻)として父(母)として、相手を評価していただけますか?

実花:どちらも、★★★★★星5つです。いろいろな段階を経て、ですけどね。

英孝:おお! 僕は、★★★★☆星4つ。妻として母として完璧である必要が無いと思っているんです。自分を楽しんでほしい。彼女を一人の人として評価するなら星5つです。 

実花:自営業っていうのも大きいかもね。

英孝:いっしょにいる時間が長いと、子どものことからテレビのことまで話題が尽きない。話が噛み合ない夫婦は、いっしょにいる時間が少ないんじゃないでしょうか。

実花:求めていることやゴールはいっしょ、という感じなんです。道が違うだけで。


「どうせやるなら楽しんで家事をしたいですよね」(英孝さん)

お風呂掃除する男性

アイロンがけも掃除も得意な英孝さん。「どうせやるなら楽しむ」がモットーなのも円満の秘訣。二人ともの両親が共働きなので、仕事も家事も二人にとっては当たり前なのかもしれません

ガイド:お互いの違いから揉めたことはありませんか?

実花:結婚当初はたくさんありましたよ。

英孝:料理にしても彼女の家は出汁を取るところから作るし、うちは買ってきた惣菜をそのまま出す感じ。

実花:母はシチューもバターから作ってたので、ルウがあんなに簡単とは思わなくて(笑)。作り方は母から教わってないけどそうすべきだと思ってました。

英孝:僕は僕で、ひとり暮らしを経て一通りの家事ができる状態から同居し始めたので、つい上から目線になって。料理も小さいころからしてたから、僕の方が切るの速いし(笑)。

実花:何でも私よりできるんです。でも、彼の方法を押しつけられたことはない。

英孝:今は彼女のほうがレパートリーも多いし、すごくおいしいですけどね。ちょっとしたことでよく喧嘩してました。

実花:でも、何にしても咎められたことはないよね? ご飯ができてなくても怒らないし。

英孝:こだわりがないんですよ。

実花:そう。マイペースだけどね。私は私なりの子育てを一生懸命してて、私が求めることを彼がしてくれる感じかな。おむつを替えたり、お風呂に入れてくれたり。

英孝:彼女が何に困ってるか見ながらやってきましたね。親は共働きで二人で自営業をしていましたが、父は自分からは家事をしなくて。でも言われるからやるっていうのは違う気がします。洗濯も料理も家族のものですからね。それに、どうせやるなら楽しんでやりたいですよね。

実花:うちは父が自営業で母が公務員。共働きなのに母が一人で家事してたんです。尊敬ですよね。でも私には無理だし、両親の仲は険悪で私にとって理想の母とは言えなかった。私はできないときには無理をせずに「ごめん。お願いね」って寝てしまうこともあります(笑)。


「責めない」「溜めない」コミュニケーションを
心地いい家庭を作るには「妻の笑顔」から

自転車で楽しそうな中年夫婦

家族での外出、夫婦での外出が多く、いっしょにいることが当たり前のご夫婦です

ガイド:うーん。あまりにも自然体ですが、秘訣はありますか?

実花:やっぱりコミュニケーションかな。子どもが小さいころ、なかなか寝ない子だったので背負ったまま家事をして、彼が帰るまでに食事もちゃんと作っておきたいという理想があって……ある意味、私のエゴですが。がんばってしまうし、それを認めてほしい。「こうしなきゃ」という理想にばかりフォーカスすると、彼にも子どもにも腹が立ちますよね。そこで彼からも責められなかったのが助かりました。ママはつい家族のためにがんばり過ぎる。でも無理せず「できない」と伝えて、やって欲しいことをお願いする。全部自分がやらなきゃって思わなくていい。「責めないコミュニケーション」かな。

英孝:それと「溜めない」かな。できないことは早めに夫に伝えたほうがいい。

実花:パパの方には帰宅したら「今日、どうやった?」ってママに聞いてあげて欲しい。でないと妻は自分のことばかりしゃべっちゃう。一方的に「仕事しんどい」ばっかり言われたら「こっちだって子育てしんどいわ」と思っちゃう。できれば家族いっしょに成長していくのが理想ですよね。

英孝:僕がパパにアドバイスするとしたら「自分の家を居心地よくするためにどうしたらいいのかを考えてみて欲しい」ということ。会社ではみんな積極的に自分の居場所を作ってるはずなんですよ。家に帰ってきたとき、子どもと嫁さんだけ仲よくて疎外感があると寂しいですよね。いっしょに笑える環境を作るには「妻が笑顔でいてる家庭を作る」のが一番やと思います。


いかがでしょうか。お互いに「押しつけない」「責めない」「溜めない」ということは、確かに円満の秘訣ですよね。実花さんが「自分を『これでいいやん』と認めてしまう。できないもんはできない」と笑顔だったのが印象的でした。自営業の場合は仕事が順調かどうかも大きく影響するのではないでしょうか。

相手を選ぶ時点で、実花さんは「自分のことは自分でできる人」、英孝さんは「僕の話で笑ってくれる人」という条件だったことが、そもそもお互いに尊重できる秘訣かもしれません。学歴・収入などスペックを条件にしてしまった場合、この心地いい関係を築くのは難しいのかもしれませんね。

※記事中の画像はすべてイメージです。
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