スペインでハロウィンはどう祝う?
スペインのハロウィンとは
秋も深まり、街を歩いていると、カボチャやお化けのデコレーションが目に入るようになってきました。日本では、ハロウィンと言えば、小さな子供たちがお化けや魔女の仮装をして楽しむイベントとしてすっかり定着していますが、スペインではどのように祝われているのでしょうか。
仮装は2月のカーニバルで
子供たちは仮装が大好き
最近は、スペインでも、10月31日に生徒たちに仮装して登校させる学校も増えたようですが、スペインで仮装と言えば、2月のCarnaval(カルナ
バル、謝肉祭)が最も盛り上がるイベントとなっています。Carnavalの時期には、学校によっては、1週間毎日違う国をテーマにして、全生徒が手作りの衣装で仮装して登校するなど、子供たちもとても楽しみにしています。大変なのは家庭で衣装を手作りする両親で、もちろん市販の仮装グッズを買ったりもしますが、たいていの家庭では、子供のリクエストに応えて手作りの衣装を用意します。
¿De qué te vas a disfrazar?
デ
ケ バス ア ディスフラ
サル
何の仮装をするの。
Voy a disfrazarme de princesa.
ボイ ア ディスフラ
サルメ デ プリン
セサ
プリンセスの仮装をするつもり。
ハロウィンの語源
そもそもハロウィンとは、All hallow's eve(諸聖人の日の前日)が語源であり、スペインでは、諸聖人の日であるDía de todos los santos(デ
ィア デ
トドス ロス
サントス、諸聖人の日)、11月1日が祝日となっています。諸聖人の日の前日であるハロウィンを祝う習慣は、最近になってアメリカ文化の影響で浸透してきました。スペインでは、伝統的に諸聖人の日を祝います。高齢者のなかには、未だにハロウィンという習慣を知らない人も多いのです。
諸世人の日は日本でいう「お盆」
カタルーニャ地方で食べられるパナジェッツ
諸聖人の日には、日本のお盆のように家族で先祖の墓参りに行く習慣があり、亡くなった人たちに思いを馳せる日になっています。家族が集い、北部ではMagosto(マ
ゴスト)、東部のカタルーニャ地方ではCastanyada(カスタニ
ャダ)と呼ばれるお祭りを行います。どちらも、カボチャの代わりに焼き栗を食べて、収穫と寒い季節の到来を祝います。
松の実でまわりをコーティング
カタルーニャ地方では、panellets(パナジ
ェッツ)という、松の実でまわりをコーティングした三角形の小さなお菓子や、 moscatel(モスカ
テル)と呼ばれる甘いワインとboniato(ボニ
アト、日本のものよりも水分が多く甘みの強い、オレンジ色のサツマイモ)を食べる習慣があります。この時期になると、バルセロナでも街角に焼き栗と焼き芋の屋台が立ちます。売値 は、焼き栗の場合、「1ダースでいくら」と言うように地方政府に決められています。日本の甘栗と違い大粒で、炒るのではなく、焼いてあるだけなので、栗の自然な甘みが楽しめます。3、4粒食べるとお腹いっぱいになる旬のおやつです。
スペインでは栗が主役
Dame una docena de castañas asadas, por favor.
ダメ ウナ ド
セナ デ カス
タニャス ア
サダス、 ポル ファ
ボル
焼き栗を1ダースください。
Cuidado, que están calientes.
クイ
ダド、ケ エス
タン カリ
エンテス
熱いから気を付けて。
スペインではハロウィンもフィエスタの言い訳
スペインでも最近よく見かけるカボチャのデコレーション
本場アメリカや日本ほどには浸透していないハロウィンですが、カボチャやおばけ、魔女などのガーラントや置物は、何といっても、子供たちの目を惹きつけますので、デパートやレストランは競って黄色やオレンジ色の飾り付けを施して、ハロウィーン商戦を利用しようとします。子供たちも、仮装してお菓子をもらうという楽しみを見逃すはずがありません。
フィエスタ好きのスペインの若者にとっては、ハロウィンはフィエスタをする格好の言い訳になっています。翌日の11月1日が祝日なので、ハロウィンの夜は心おきなく夜遊びを楽しめるのです。クラブなどのナイトスポットは、ハロウィン関係のイベントの企画に余念がありません。ハロウィンの夜に仮装とフィエスタを楽しみ、諸聖人の日に家族と集い、焼き栗を食べて二日酔いを覚ますというのがスペイン流の過ごし方のようです。
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