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ビール業界の業績と提携先・戦略の違いとは?

ビール大手3社(アサヒ、サントリー、キリン)+1(サッポロ)。それぞれに自社ブランドと他社ブランドを駆使しながら、消費者の嗜好の多様化に対応しています。そんななかで勝ち組になっているアサヒやサントリーの業績伸長のポイントとは?

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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最近のビール会社の業績をチェックしましょう

ビール会社の大手4社はアサヒ、サントリー、キリン、サッポロ、ですが、どの会社が、どのような商品を販売しているか知っていますか?例えば、第3のビールである金麦は?朝ドラのマッサンで有名な竹鶴は?ハーゲンダッツはビール会社が販売しているって、知っていましたか?実はビール会社のブランドや提携先は多岐に渡っていて、全体を把握するのは案外大変です。

そこで各社の販売商品や経営戦略を知って、最近のビール会社の業績についてみていきたいと思います。

 ビール大手3社+1の業績比較 ~ サントリーの勝利 ~

みなさんは、ビールといえば何を思い浮かべますか?アサヒスーパードライ、キリン一番搾り、サントリーモルツ、サッポロ黒ラベル。このような大手4社の代表的なビールもあれば、スタイルフリー、淡麗、金麦、麦とホップなどの発泡酒、第3のビールなど、様々なビール系飲料があります。このように、多くの商品を販売しているビール会社の業績はどのようになっているのでしょう?
以下のグラフは大手4社の過去5年間における売上高と営業利益の推移です。

【図1undefined大手4社の売上高推移】

         【図1 大手4社の売上高推移】



【図2undefined大手4社の営業利益推移】

         【図2 大手4社の営業利益推移】


売上高、利益ともに急伸しているのはサントリーホールディングス(非上場)です。サントリーホールディングスは、子会社のサントリー食品インターナショナル<2587>が、2013年7月に東証に上場しています。ビールを取り扱っているのは、別の子会社であるサントリービール株式会社(非上場)になります。上のグラフではサントリーホールディングスの業績を表示しています。

次に売上規模は3位ですが、売上高、利益ともに伸びているのがアサヒグループホールディングス<2502>です。そして営業利益でアサヒグループホールディングスに追い抜かれたのがキリンホールディングス<2503>です。これら3社は売上高で2兆円前後。次点のサッポロは、売上高5000億円ほどになります。

このように、国内ビール大手4社といいますが、実質的には大手3社+サッポロです。ちなみに、ビール好きの人はご存知と思いますが、オリオンビールという沖縄のビール会社もあります。このオリオンビールの売上高は約250億円ですので、サッポロビールの約20分の1の規模です。つまり、ビール会社は大手3社でほとんどのシェアを占めているといえます。

そして、その大手3社の順位ですが、これまでは売上高、営業利益ともにキリン、サントリー、アサヒという順位でした。しかし、少しずつ差が縮まってきていて、26年12月期には、売上高、営業利益ともにサントリーが1位となりました。さらに、キリンは営業利益ではアサヒにも負けて3位になってしまいました。

これまで、あまり大きな変動がなかったビール会社ですが、どうして急激に変動が起きたのでしょう?

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