真のストリートファイター GSX-S1000F


近年盛り上がりを見せているジャンルのバイクカテゴリがあります。その名もストリートファイター系。1980年生まれの私にとってはストリートファイターと言われれば「俺より強いやつに会いに行く」がキャッチコピーの格闘ゲームを連想します。

バイクのカテゴリにおいてのストリートファイター系とは比較的最近登場したカテゴリのため定義もまだ曖昧な部分がありますが、「スーパースポーツバイクのカウルをとってバーハンドルに仕上げた車輌」という認識が一般的です。

海外のバイクで言えば、まさにこの定義にピッタリの車輌もありますが国内でラインナップされているバイクを見てみるとベースがスーパースポーツモデルのストリートファイター系車輌はありません。

ヤマハ MT-07、MT-09を筆頭にストリート系車輌がブームとなっていますが、本命ともいえる車輌がスズキからリリースされました。

スズキのスポーツモデルのフラッグシップGSX-R1000のフレームをさらに軽量化し、エンジンをストリート用にチューンしたモデル。

それがGSX-S1000 ABSです。今回はこのモデルにハーフカウルを追加したGSX-S1000F ABSをいつも通り都内の通勤で一週間使用してインプレッションをお届けします。

GSX-R1000とどこが違う?まずはGSX-S1000Fの装備をチェック!

gsx-s1000fフロントビュー

gsx-s1000fフロントビュー


まず今回驚いたのはクラッチを握らなくてもセルモーターを回すことが出来ることです。スズキのバイクはギアがニュートラルに入っていてもクラッチを握らなければセルモーターが回らない特性がありました。

バイクに慣れていない人の誤動作を防ぐことはできますが、他のバイクメーカーからスズキに乗り換えたライダーは違和感と煩わしさを感じるはずです。

GSX-S1000Fには「スズキイージースタートシステム」を採用しました。これはエンジンがかかるまでセルモーターボタンを押し続ける必要がなく、ワンプッシュすればコンピューターがセルモーターを回転させてエンジンが始動するシステムです。

このシステムを採用するとともに、クラッチを握らなくてもエンジンをスタートできるように変更したのは歓迎したいポイントです。

またGSX-R1000に採用されていない機構として、GSX-S1000シリーズにはトラクションコントロールシステムが採用されています。これは、例えば雨天時などにリアタイヤがスリップを感知すると速やかにエンジンの出力を低減させることでスリップを防ぐシステムです。

もちろん完全にスリップを防止するわけではありませんが、パワーのあるGSX-S1000Fのようなバイクを運転していると雨天時の街中では白線やマンホールなど気を使わなければいけないシチュエーションが存在します。

今回も試乗期間中に雨が降っている日もありましたが、比較的安心して走行することが出来ました。

しかし残念なポイントとしてGSX-R1000には採用されているS-DMS(スズキドライブモードセレクター)がGSX-S1000には採用されていません。

様々な走行状況に応じて三種類のドライブモードを選択できるこの機構は、街中、サーキット、ワインディングロード、雨天時など走行するシチュエーションによってパワー特性を変更することができるため、ハイパワーのGSX-R1000をあらゆる場面で扱いやすいマシンとして使うことが出来ました。

これがGSX-S1000には採用されていません。個人的には非常に残念なポイントです。

その他に今回お借りしたGSX-S1000Fにはハーフカウルとウインドスクリーンが装備されています。比較的ハンドルポジションが前傾なこともあり体に当たる風はかなりスクリーンが低減してくれます。

ツーリングなどで高速道路を走る機会が多いライダーはカウルとスクリーン付のGSX-S1000Fの方が好ましいでしょう。