2016年版のスポーツスターはひと味違う!
先ごろ発表されたハーレーダビッドソンの2016年最新モデルラインナップ。注目は日本でも人気が高いスポーツスターファミリーの2台で、より快適なライドフィールを味わえる仕様へとグレードアップしました。まずはそのアイアン883とフォーティーエイトについて解説していきましょう。XL883N アイアン883
XL883Rのカタログ落ちにともない、“もっともスポーツスターらしいスポーツスター”として注目を集めるようになったアイアン。元々は2008年、ダークカスタムモデルの先駆者としてデビューした新顔だったのですが、細身のスポーツスタータンクにフロント19/リア16インチという足まわり、引き締まったナローフォークなど、半世紀以上も紡いできたスポーツスター本来のスタイルを残す唯一のモデルとなったのです。
アイアンの変更点をチェック!
本モデルの開発責任者を務めたカンパニーの日本人デザイナー・ダイスナガオ氏曰く「アイアン本来の美しいスタイルはそのままに、物足りなかった走行性能を高める仕様へとアップグレードした」という新型アイアン。まずはその変更点を見ていきましょう。注目ポイントは、サスペンションとホイール、シートの3点でしょう。いずれもバイクが走るうえで重要な部分とされる部位です。ホイールは13スポークから9スポークとなり、剛性を落とすことなく軽量化を実現しています。また、1970年代のカスタムシーンに見られた9スポークが雰囲気を生み出していますね。
アイアンの弱点とされてきたサスペンションは前後ともバージョンアップ。ローダウンモデル特有の短いストロークながら、以前のノーマル仕様とは比べものにならない能力を発揮するほどに。
そのサスペンションの動きをサポートするのが、新設計のソロシート。カスタムスタイルを印象づけるタック&ロールデザインのシートは非常に柔らかい素材でできており、サスペンションとともにライダーへの衝撃を吸収する役目を担います。
アメリカでも限られた企業だけが使用を許される国鳥ハクトウワシ(イーグル)がグラフィックに加わりました。テーマは『アメリカーナ』で、ハーレーダビッドソン=アメリカを代表する存在であることを強調するデザインに。
その乗り心地は、格段にアップしていました。確かに短いストロークのサスペンションではできることに限界はあるものの、開発プロジェクトに携わった日本人デザイナー ダイス・ナガオ氏が言うとおり、この低い車高でもしっかりとバンクさせて走れる、ライディングプレジャーを備えたスポーツスターを目指したことは明らかでした。
XL883Rのカタログ落ちにより「スポーツスターらしさが失われた」という嘆きの声が聞かれましたが、グレードアップをはたしたアイアンが新たな正統後継者として名乗りをあげた格好になりましたね。
[メーカー希望小売価格](消費税込)
・ツートーン:119万円
・ハードキャンディー ゴールドフレーク:121万2000円
[スペック]
全長2,215mm×全幅850mm×全高1,140mm/車重256kg/シート高775mm/ホイールベース1,515mm/排気量883cc/エンジン:空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ/タンク容量12.5リットル/燃費21.7km/L/タイヤサイズ(F)100/90 B19 M/C 57H(R)150/80 B16 M/C 77H
>> アイアンのサウンドチェックはこちら
続いては注目のモデル、XL1200X フォーティーエイトについてポイントを見ていきましょう。
>> 次ページ 人気ナンバーワンモデル フォーティーエイトはどう変わった?