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ハーレー2016年最新モデル解説 スポーツスター編(2ページ目)

ハーレーダビッドソン2016年版の最新モデルが発表されました。なかでもグレードアップした2台の人気モデルが牽引するスポーツスターファミリーは注目の存在です。各モデルの特徴と注目ポイントを解説していきましょう。

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

XL1200X フォーティーエイト

ハーレーダビッドソン スポーツスター XL1200X フォーティーエイト(2016)

ハーレーダビッドソン スポーツスター XL1200X フォーティーエイト(2016)

2011年のデビュー以来、不動の人気ナンバーワンという地位を確立したXL1200X フォーティーエイト。他メーカーでは決して生み出せない独特のスタイルに注目が集まるモデルながら、実際に乗ってみると、なんともバランスの悪い箇所がちらほら顔を覗かせるなど、いろんな意味で“ハーレーらしいバイク”でした。

特にカーブや交差点で曲がる際のタイヤの切れ込みは、危うささえ感じさせるものでした。特徴である16インチ・ファットタイヤはその重量から、曲がる際に華奢なフロントフォークごと切れ込んでいってしまうので、旋回時に思わずバランスを崩してしまいそうになるのです。加えて両足を突き出す形のフォワードコントロールというステップ位置なので、ライダーはしっかりと踏ん張れない。そういった小さくない弱点を抱えたモデルが、このフォーティーエイトでした。

そんな弱点を克服しようと、カンパニーが打ち出した策がフロントフォークの大径化だったのです。

フォーティーエイトの変更点をチェック!

新デザインの9スポークホイールを採用し軽量化を実現。何より大きな変化がフロントフォークが太くなったことだ。41mm⇒49mm化は剛性アップに加え、フロントマスクの印象も一変させた

新デザインの9スポークホイールを採用し軽量化を実現。何より大きな変化がフロントフォークが太くなったことだ。41mm⇒49mm化は剛性アップに加え、フロントマスクの印象も一変させた


やはりフロントフォークが41ミリから49ミリにアップした点こそ、今回最大の注目ポイントでしょう。フォークが太くなるということは、剛性がアップしたということ。これによってフロントタイヤの重量に負けない力が加わるので、フロントの切れ込みは解消されました。さらに軽量化された新デザインの9スポークホイールも、およばずながら助力しているのです。

高級感あるエンブレムが備わったタンクにラウンドエアクリーナー、クロームエキゾーストカバーとラグジュアリーな印象を強める2016年版フォーティーエイト

高級感あるエンブレムが備わったタンクにラウンドエアクリーナー、クロームエキゾーストカバーとラグジュアリーな印象を強める2016年版フォーティーエイト


エアクリーナーがラウンド型となり、腰下のタイマーカバーも『1200』とクラスを指し示したものに。そして注目はタンクグラフィックでしょう。これまでペイントだった部分が質感の高いエンブレムへと変わり、プレミアム感を増しています。

こちらも設計から見直されたソロシート。シルエットそのものは大きく変わらないが、乗り心地を向上させる仕様になっている

こちらも設計から見直されたソロシート。シルエットそのものは大きく変わらないが、乗り心地を向上させる仕様になっている


デザインは秀逸ながら走行時ライダーの体をホールドしないソロシートも一新。シルエットはほぼ同じながら、シートそのものを長くして着座位置に余裕を持たせています。もちろん素材はアイアンと同じく柔らかさに定評があるものを使用しています。

アイアンと共通となるプレミアムサスペンションの標準装備。フロントの剛性アップと合わせて走行性能を高める役割を担う

アイアンと共通となるプレミアムサスペンションの標準装備。フロントの剛性アップと合わせて走行性能を高める役割を担う


XL883N アイアンと同じくプレミアムサスペンションを標準装備。ライディングにおけるウィークポイントを克服しての再登場となったのです。

確かに、以前のモデルと比べても安定感は確実にアップしていました。大きなカーブをスピーディに駆け抜けていっても、前年モデルに見られた落ち着きのなさは払拭され、ストリートクルーザーの名にふさわしいパフォーマンスが味わえるレベルに達したと言えます。

フォーティーエイトの乗り心地は格段にアップ!

フォーティーエイトの乗り心地は格段にアップ!


フューエルインジェクションのセッティングが向上していたのも好感触でした。「本当に排気量1,000cc超えてるの?」と言いたくなるスカスカ感はなくなり、エンジンフィーリングをしっかり味わわせてくれるところは、日本輸入時のセッティングレベルのアップを感じさせるもの。

その一方で、速度域があがっていくほど剛性アップしたフロントまわりに反比例して、変わらないフレームの華奢な感じが手に取るようにわかり、ちょっと頼りなく感じる部分も。ただ、フォーティーエイトはハイスピードで楽しむバイクではないので、今の状態がちょうどいいのかもしれませんね。


[メーカー希望小売価格](消費税込)
・ビビッドブラック:150万円
・ツートーン:152万2,000円
ハードキャンディーカスタム:154万4,000円

[スペック]
全長2,160mm×全幅845mm×全高1,085mm/車重252kg/シート高710mm/ホイールベース1,495mm/排気量1,201cc/エンジン:空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ/タンク容量7.9リットル/燃費20.4km/L/タイヤサイズ(F)130/90 B16 M/C 73H(R)150/80 B16 M/C 77H

>> フォーティーエイトのサウンドチェックはこちら

それでは、次ページより、新型以外のスポーツスターモデルをご紹介しましょう。

>> 次ページ その他のスポーツスターモデルの特徴を解説!

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