販売台数は三兄弟の中でも少ないがXT250Xの実力はどうだ?
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現在、ヤマハは中長期的販売戦略の中でバリエーションモデルを展開することをあげています。ロードモデルにオフロードの要素を加えた車輌や、アメリカンモデルにカフェレーサーの要素を加えた車輌など、積極的にリリースを続けています。
しかし、こうした戦略は初めてというわけではなく、ヤマハは以前にもバリエーションモデルを販売して成功を収めています。始まりは2004年に販売を開始したフリーライドプレイバイクをコンセプトに作られたトリッカー。続けて当時既に20年の歴史があったヤマハ伝統のオフロードバイク・セローが2005年にトリッカーのフレームとエンジンを採用し、フルモデルチェンジして登場します。
そして2006年に同じくトリッカーのエンジンとフレームを使ってリリースされたのがストリートスポーツモデルXT250Xです。ヤマハは一つのフレームとエンジンで3つの兄弟車輌を作り出すことに成功し、それぞれの車輌に個性を与えてヒットさせることに成功したのです。
ただ、オフロードバイクとして現在30年の歴史を持つセロー250とウィリーなどのトリッキーな乗り方も得意なトリッカーの二台の強烈な個性に隠れてしまいXT250Xは前述した二台と比べると販売台数は少ないモデルです。
町乗りでの性能はセロー250、トリッカー共に申し分ないレベルでしたが、末弟のXT250Xはどうなのか?今回も一週間都内の通勤で試乗してインプレションをお届けします。
XT250Xの装備をチェック
XT250Xは三台の兄弟車輌の中で最もストリート重視で作られています。装備を見ていくと、まずシート高が他の二台が810mmなのに対して790mmと低く設定されています。シート高の数値だけ見れば決して低いわけではないのですが、トリッカーやセロー250は跨ってシートに座るとサスペンションがスッと沈みこむため数値以上に低く感じます。XT250Xも同じようにシートに座るとサスペンションが沈み込むため、こちらも数値以上にシート高は低く感じます。
次にタイヤですが、他の二台がオフロード走行を意識したブロックタイヤを採用しているのに比べてXT250Xはロードタイプのタイヤを採用しています。セロー250やトリッカーはブロックタイヤを採用していますが、いずれも町乗りも意識したロードノイズを低減したタイヤが採用されているものの、やはりXT250Xのロードタイプタイヤの方が乗り心地は良く感じました。
燃料タンク容量はセロー250と同じ9.6L。トリッカーは7.2Lですので2.4L多く入るようになっています。この三兄弟のエンジンは燃費も比較的良いため、たった2.4Lとはいえ、連続航行可能距離には大きな違いが出るはずです。
また他の二台とのデザイン上の大きな違いとして、テールランプが上げられます。他の二台が小径のテールランプを採用しているのに対して、XT250Xは18灯のLEDテールライトを採用しています。