イタリアで修行したシンガポール人シェフによる郷土料理の店、Follia(フォリア)
シンガポールではなかなか見られないイタリアの郷土料理も
ハーブとオリーブオイルで仕上げた手作りのパンは軽いおつまみにもぴったり
中心街から離れた場所にありますが、サルディニア料理を中心とした本格的なイタリアの郷土料理を手ごろな価格で提供する店として人気を博しています。
もともとはハードロックグループのエグゼクティブシェフで、海外の支店のスタッフの教育にも力を入れていたというフランシスさんは、「手作り」にこだわり、パスタはすべて手打ち。特別に作り方を見せていただきましたが、丁寧にこねて伸ばしていく作業は、手間のかかるもの。
ランチタイムは7.5シンガポールドルというお手ごろな価格でパスタを提供していますが、すべて手打ちにこだわっています。
パンやピザも、もちろん手作り。「努力した分の味の違いは、料理に表れるし、
それはきっとお客様にも実感していただけるはず」と同シェフは胸を張ります。
店内は白を基調にした明るい雰囲気
地中海に浮かぶサルディニア島は、イタリアの一部であるものの、独自の言語と文化を持ち、美しいビーチとシーフード、ワインの産地としても知られた土地。ミラノで修行したフランシスシェフはイタリア全土の郷土料理を提供しますが、サルディニア出身のイタリア人、ファビオさんがお店の立ち上げに関わっただけあって、要所要所にサルディニアの郷土料理が織り込まれています。
サルディニアの味、イカ墨のパスタ
味と鮮度にこだわったシーフードがたっぷりのイカ墨パスタ
貝の旨味がつまったスープ
レストランを代表するサルディニア料理は、イカ墨のパスタ(28.8シンガポールドル)。パスタの生地自体にもイカ墨が練りこまれ、手打ちならではの絶妙のコシ。ソースもイカ墨で、ムール貝やアサリ、海老などの濃厚な海の香りが広がります。また、イタリア全土の海沿いで食べられている「ボンゴレ」スープ(14.5シンガポールドル)は、サルディニアでも愛されている味。臭みのない、上質なトスカーナ産のハマグリとムール貝がたっぷり。貝の出汁がたっぷり溶け込んだ乳白色のスープは、自然な優しい味わいです。
牛肉の味もボリュームもを存分に楽しめる
もうひとつのシグネチャーメニューは、シェフが修行したミラノの郷土料理、オッソブッコ・アラ・ミラネーゼ(33シンガポールドル)。写真では分かりづらいですが、2~3人前はありそうなボリュームです。サフランが香るリゾットに牛スネ肉の煮込みの横には、とろとろに煮込まれたボーンマロー(骨髄)が。日本ではあまりなじみのないボーンマローですが、滑らかで香ばしいソースのような感覚で、肉に旨味とジューシーさを加えています。
イタリアの地域に根ざした郷土料理も提供
南イタリアの伝統料理鶏肉のディアボラ風
珍しいウィンターブルーベリーの食後酒
その他にも、各地の様々な郷土料理が提供されています。ジャガイモの間にパンチェッタとタレッジョチーズを挟み、レモンサバイヨンソースをあしらった北イタリアの前菜Patate Pancetta e Taleggio(13.5シンガポールドル)や、南イタリアの伝統料理で、鶏肉に胡椒を利かせて焼き上げたディアボラ(悪魔)風(25シンガポールドル)など、各地を代表する料理がそろっています。
食後にはぜひ、サルディニア特産のウィンターブルーベリーの食後酒(11シンガポールドル)をどうぞ。中華に使われるスパイスを思い起こさせるような独特の香りがあり、面白いアクセントとなっています。
コーヒーのほろ苦さが程よいティラミス
デザートはキルシュの香りのパンナコッタ(12.5シンガポールドル)、そしてティラミス(14.5シンガポールドル)をいただきましたが、程よい甘さで美味しかったです。特にコーヒーのほろ苦さがきいたティラミスは、お腹がいっぱいなはずなのに、するりと食べられてしまいました。鴨のスモークとゴルゴンゾーラ、梨のサラダ(17.8シンガポールドル)など、何かつまみたいときにもぴったりの軽い前菜もありますよ。
気取らずに、手作りの温もりあふれる、美味しいものを食べに行く、というシチュエーションにぴったり。心地いい旅の彩を添えてくれる、そんなお店です。
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■Follia Italian Restaurant
営業時間:ランチ 11:45~15:00、ディナー 18:00~23:00(平日・日曜日)
15:00~23:00(土曜)/(火曜休)
住所:3, Clover Way, Singapore 579078
電話:+65 6353 3995
アクセス:MRTオーチャード駅周辺からタクシーで20分ほど