株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

10月に買ってはいけない3業種とは?

10月は3月決算企業の中間決算が活発化することから様子見ムードが強まると考えられますが、この時期は相場が冷え込みやすい月としても知られています。そこで今回は、10月相場の中でも特に下がりやすい業種を3つご紹介します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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10月相場の中で特に下がりやすい3業種

10月は3月決算企業の中間決算が活発化することから、様子見ムードが強まると考えられますが、この時期は相場が冷え込みやすい月としても知られています。そこで今回は、10月相場の中でも特に下がりやすい業種3つを調べてみました。

■10月株式市場の傾向

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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:1990/03/01~2015/08/31
1銘柄当たりの投資金額:100万円

買い条件
・9月末の最終営業日の寄り付きで買い

売り条件
・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

9月末に、ある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%以上で、損益がプラスならば、10月は株価が上がりやすい月となります。反対に、損益がマイナスであるならば、10月は下がりやすい月と言えるのではないでしょうか。

以上のルールで過去のデータを用いて検証しました。

10月相場で不調だった3つの業種

■10月相場で不調な傾向がある業種、その1:ガス(2銘柄)
システムトレードの達人

システムトレードの達人

勝率: 26.53 %
勝ち数: 13 回
負け数: 36 回
引き分け数: 1 回

平均損益(円): -5,188 円  平均損益(率): -0.52 %
平均利益(円): 79,959 円  平均利益(率): 8.00 %
平均損失(円): -36,079 円  平均損失(率): -3.61 %

合計損益(円): -259,396 円  合計損益(率): -25.94 %
合計利益(円): 1,039,464 円  合計利益(率): 103.95 %
合計損失(円): -1,298,860 円  合計損失(率): -129.89 %

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.8
平均保持日数: 27.36 日


■10月相場で不調な傾向がある業種、その2:電力(3銘柄)
システムトレードの達人

システムトレードの達人

勝率: 33.33 %
勝ち数: 24 回
負け数: 48 回
引き分け数: 3 回

平均損益(円): -5,836 円  平均損益(率): -0.58 %
平均利益(円): 69,926 円  平均利益(率): 6.99 %
平均損失(円): -44,082 円  平均損失(率): -4.41 %

合計損益(円): -437,734 円  合計損益(率): -43.77 %
計利益(円): 1,678,217 円  合計利益(率): 167.82 %
合計損失(円): -2,115,951 円  合計損失(率): -211.60 %

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.793
平均保持日数: 27.36 日


■10月相場で不調な傾向がある業種、その3:水産(2銘柄)
システムトレードの達人

システムトレードの達人

勝率: 35.00 %
勝ち数: 14 回
負け数: 26 回
引き分け数: 0 回

平均損益(円): -15,397 円  平均損益(率): -1.54 %
平均利益(円): 67,566 円  平均利益(率): 6.76 %
平均損失(円): -60,069 円  平均損失(率): -6.01 %

合計損益(円): -615,880 円  合計損益(率): -61.59 %
合計利益(円): 945,918 円  合計利益(率): 94.59 %
合計損失(円): -1,561,798 円  合計損失(率): -156.18 %

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 0.606
平均保持日数: 27.40 日

以上が、10月相場の中でも冷え込む傾向が強かった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は約26~35%、1トレードあたりの平均損益は約-0.5~-1.5%となっています。勝率が5割より低く、平均損益もマイナスになっていることから、ガス、電力、水産の3業種は、10月相場の中でも特にに下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

10月相場が下落しやすい要因として、3月期決算企業の中間決算が集中しており、様子見ムードになりやすいという点が挙げられます。決算発表直後には株価の変動が荒くなると考えられます。このリスクを回避するため、いったん株を手放す投資家が増え、相場全体が下落しやすいのだと考えられます。

今回の検証でご紹介した3つの業種は、10月相場に下がりやすい傾向にありました。では、これらの業種の中でも下落傾向が強かったのは、どの銘柄だったのでしょうか? 最後に、10月相場で下落傾向の強かった3業種の中でも、特に不調だった銘柄をご紹介します。

10月に不調な銘柄ランキング

システムトレードの達人

システムトレードの達人

上記の表は先ほどの検証結果において、勝率の低いものから順に並べ替えしたものです。上記の表を確認すると、10月は東京電力や大阪ガスなどの銘柄が、特に軟調に推移したことが分かります。

10月相場では、3月決算企業の中間決算発表が集中しているため、相場全体が伸び悩む傾向があると考えられます。もしあなたが、ご紹介した3つの業種(ガス、電力、水産)を購入しようとしているのならば、注意が必要でしょう。業種や個別銘柄は、月によって、株価が上がりやすい月と、下がりやすい月があります。今回のように簡単な検証をすることで、10月の投資戦略を考える上での、有効な判断材料の1つになることでしょう。なお、10月は株式市場全体が軟調に推移しやすい傾向がある中で、過去の勝率が低い銘柄をトレードするよりは、成績が良好な銘柄をトレードした方が、よりリスクを抑えることができるでしょう。

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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