写真撮影/風景・夜景を撮る

【風景撮影ナビ3】 秋の空を撮影する

3回目の「風景撮影ナビ」のテーマは「秋の空」です。この季節の風景写真には絶好の被写体。撮影するタイミングで様々な表情を見せてくれるのが秋の空の醍醐味です。いろんなものに例えられる秋の空、どんなイメージで写真に撮りますか?

瀬川 陣市

執筆者:瀬川 陣市

写真撮影ガイド

デジカメビギナーに向けた「風景撮影ナビ」の3回目は、「秋の空」をテーマに撮影ポイントを解説していきます。文学においても様々に表現される秋の空は、被写体としても最適です。単なる空にレンズを向けるのではなく秋のイメージを描きながら撮る写真はまた一味違った風景写真が出来上がります。身近で撮れる季節の被写体にフォーカスしてみましょう。

秋を感じさせる「うろこ雲」は広角レンズで

秋の空撮影

秋の空に広がる「うろこ雲」。雲全体を撮るには広角レンズで広い範囲をフレーム入れて撮るのが基本。


秋になったなと感じさせるもののひとつが空に広がる雲です。一般的によく言われる「うろこ雲」がその一例。他にも「さば雲」「いわし雲」など見た目によって呼称は違う雲もありますが、ここでは「うろこ雲」を代表のひとつとして取り上げていきます。

空に広がる「うろこ雲」。見ていても気持ちがいいものです。このイメージを写真に撮るにはやはり広角レンズでアプローチしたいところ。

広角レンズとは、広い範囲がフレームに入るレンズサイズを指します。レンズサイズでは「24ミリ」など数字が小さくなるほど広角になります。一般的に28ミリぐらいのサイズから広角レンズと呼ばれます。ズームレンズでも同様に数字の小さいほうにズームリングを回すと広角域になります。

ズームレンズを使って撮影する場合は、空の切り取りたい範囲にフレーミング。空に向けてのオートフォーカスのピント合わせでは、対象物が捕らえきれずにピント合わせに迷う場合があります。

そのようなときは、遠くに見える山や建物などに一度ピント合わせをして、シャッター半押しのままでフレーミングを空に向けてもう一度作り直してから撮ればピントは雲に合わせられます。

周りの風景を入れて撮ってみるなどフレームの作り方でイメージを変えることができます。

雲の印象を強くするには暗めに写す

秋の空撮影

「うろこ雲」の印象度を濃くするのに暗めに設定して撮影。露出補正をマイナス1に設定して撮影したもの。


雲の印象度を少し強めるとまた秋の空のイメージは変わってきます。

そのような雲の印象度を変える方法は、明るさを変化させることで可能になります。明るさを変えて撮影するには、「露出補正」という機能を使います。これはほとんどのデジタルカメラには備わっている機能で、機種によっては「明るさ」という表記で書かれているものもあります。

この「露出補正」をマイナス側に設定して撮影すると、画面全体が暗めに写ります。暗くすると雲と空のコントラストより強調されることで、よりはっきりと雲の陰影を浮き上がらせることができます。

トーンを変えた秋の空も撮ってみるとイメージががらりと変わります。「露出補正」で明るさを変化させて撮るのも楽しいです。


次のページでは、夕焼けの空にもチャレンジしてみましょう。

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