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好きがセンスに繋がる―城田優が考える、理想の働き方

【インタビュー】城田優:ドラマ『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』にて、本格的な監督デビューを果たした城田優さん。活躍の幅を広げる彼の仕事に対する思いを聞きました。

執筆者:All About 編集部

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 監督・城田優はどうやって誕生した?

“未婚のプロ”ジェーン・スー原作の“逆”恋愛指南書を完全ドラマ化!昨年放送されたシーズン1の好評を受け、現在シーズン2が放送中のオムニバスドラマ『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな 』(CS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」にて放送中)。

本作に
おいて、本格的なドラマ監督デビューを果たした城田優。幼いころからストーリー作りが大好きだったという、彼の原点は?

>>恋愛観を聞いた、インタビュー前編はこちらです
僕は彼女を信用します―城田優が嫉妬心を抱かない理由
城田優さん

今作では監督として、原案作成から参加した

――ドラマ監督のオファーを聞いた時はどう思いましたか?
素直に嬉しく思いました。監督業には前々から興味があって、少しずつですが(ショートフィルムなどで)監督する機会ももらっていたんです。そんななかでいただいたお話だったので嬉しかったです。

――ストーリーの原案作りにも携わっていますね。
はい。ゼロから関わらせていただきました。1つは、「噂」というのがポイントです。そこから、今の噂の源と言えばネットだなと考えました。ネット上には根も葉もない噂やウソもあるけど、それに依存して信じ切ってる女の子がいて、その情報を誰かと共有することがその子の唯一と言っていいほどのストレスのはけ口だったり喜びだったりする……、とイメージを膨らませたのが(ヒロインの)桜ちゃんという女の子です。
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主演の洋介を渡部豪太、桜を黒川智花が演じた(c)女性チャンネル♪LaLa TV

その基盤が出来上がったら、次は相手の男性はどんな人なんだろうってことを考えて、「彼の周りの男友達はことごとく独身」というモチーフが面白いなと。桜ちゃんの彼氏である洋介の周りにいる男友達の恋愛観を描くことで、彼の結婚観も見えてくると思うんですよね。そして、とどめとして「彼の母親は完璧だ」というところに行くという(笑)。

――それは女性としては「痛い」ポイントかもしれません(苦笑)。
そうかもしれませんね、(彼の母親は)どうやってもなかなか勝てない相手でしょうから。彼の家に帰ったらきれいに片付いていて、おいしい料理ができていたり、そんなそつの無い完璧な母親の手にかかれば、桜ちゃんの計画まで暴かれて……といった感じで、どんどんストーリーが組み立てられたんです。

――特にこだわったことは?
ドラマが始まるカフェのシーンは、ほぼほぼ僕のイメージした通りなんです。時系列としてはそこが一番新しくて、別れ話をしているカップルがいきなり出てきます。見せられる側は「いったい何?」って感じかもしれないけど、洋介のひとことがきっかけになって過去にさかのぼっていく……。その流れははじめから頭の中で固まっていたし、それがなければ最後のオチに繋がっていかないんですよね。

あと、裏テーマとして、洋介は心理学を学んでいるにも関わらず、目の前に居るすごく分かりやすい女の子の気持ちが全然分からないって部分も描いているんです。僕自身もそうだけど、偉そうなことを言ったり観察力があるように振る舞ったりしても、自分のこととなると全然見えなくなっちゃうんですよね(笑)。

監督と呼ばれることに違和感はなかった

――現場では「監督」と呼ばれたのですか?
ええ。最初はやっぱり気恥ずかしい部分もありましたが、人間って慣れるんですよね(笑)。僕自身も、ドラマの現場では「◯◯さん」と名前ではなく「監督」と呼ぶようにしているんです。撮影以外の場所では名前で呼んでいても。だから、自分が監督するときも、案外自然に感じましたね。最終的にはそのほうが落ち着くなって思いました。

――俳優・城田優が監督業に役立ったと感じたことはなんでしょう?
通常は、助監督等を経て監督になられますが、僕自身は現場のスタッフとして助監督等の経験をしてきたことはありません。そんな僕がなぜ監督をさせていただけるかというと、もともとの自分の感覚とこれまでの様々な経験があるからだと思うんです。現場で徐々にステップアップしてきた方のような確かな知識はないかもしれないけど、数十本のドラマで演じてきた経験値が生かせるという思いを持って作品に臨むことができました。

現場で役者さんたちから「どうしたらいいですか?」と聞かれて返事に困ったことは1度もなかったです。聞かれる前に「こうしてみたら」と指示も積極的にしたり。芝居においての正解は必ずしも1つだと思っていないので、提案されて面白いと感じたら、「それもやってみよう」って。
監督

主演の渡部は「現場ではしっかりと監督なさっていて、安心して芝居できた」と、監督っぷりを評価

――また監督に挑戦したいですか?
チャンスがあれば挑戦したいです。監督のオーディションってあまり聞いたことがないから、あればいいのになぁ(笑)。そう思うくらい楽しいです。

(取材時点では)ドラマの編集作業はこれからなんですが、マスタリング作業とかって面倒だと思う人も少なくないみたいで。でも僕はそれも楽しみです。細かくて神経も使うけど面白いし、勉強にもなります。今回撮らせてもらって、それを編集することで自分にセンスがあるかないかも少しは分かるかなと思ったり。まずはそんなふうにして作ったものを友達に見てもらって、率直な反応を知りたいですね。

――そもそも城田さんがディレクションに興味を持ったきっかけは?
20歳のころから趣味で自分の撮った映像をパソコンで編集してました。楽しくて寝ずにやって、朝から撮影に出かけたことも……(笑)。

よくよく考えると小さいころからそういうことが好きだったんです。おもちゃを並べては、こいつらは味方で、これは敵。1つが敵に捕らわれていて、3人(のおもちゃ)がそれをなんとか救出しようとあれこれ策を練るといった物語を作って、演じさせるのが好きでした。

あまりに楽しかったから、中学生になってもその遊びをやっていて(笑)。ふと「もしかして、この年になってもこんなことしてるって恥ずかしいかも」って思ってやめたんです。その時にそう思わなかったら、今もやっていたかもしれない(笑)。それくらい頭の中で劇を作って表現するのが好きでしたね。

――ストーリーを作ることが大好きなんですね。
大好きですね。子供時代は毎日違う物語を考えていました。僕は音楽制作もしていて、曲作りや作詞、トラックを作ったりもしますが、それもストーリーを組み立てている感覚なんですよね。だから(ドラマなどを)ディレクションするってことも、僕にとってはとても自然なことなのかな、と。
城田優さん

作品作りへの情熱を熱く語ってくれた

結局は作品を自分の好みに寄せているだけかもしれませんが、どの監督さんも多かれ少なかれそれをやっているのだと思います。カット割りや展開が評価されていたとしても、もしかしたら本人は好きなことをやっているだけで、特別なことをしている感覚はあまりないかもしれませんよね。

――なるほど、それは作り手ならではの意見かもしれません。
いろんな手法で撮られる監督さんがいますが、結局はそれを見た人が「いいね」って評価するかどうかなんですよね。本人は自分の好きでやっていることで、それがセンスなのかもしれない。

ただ、突き詰めると「センス」って何なんだろうって思うこともあるんです。誰もが賞賛するものを作るなんて絶対に無理だし、特にエンターテインメントの世界では正解も不正解もない。今回のドラマは、完璧に僕の好みを押し出して作らせてもらったので、それはすごく楽しい作業だったし、僕のセンスも問われるのかなって思いますね。

――来年には舞台の演出も手がけるなど、活躍の場が広がり続けていますね。今年12月には30歳を迎えますが、今後の城田優はどうありたいですか?
そうですね。今は、年間三百数十日、がむしゃらに働いていますが、若いうちはそうやっていろいろと経験したほうがいいと思ってるんです。

でも、こう見えて、僕はプレッシャーにとても弱くて……、ミュージカルなんて体と心が壊れそうになりながら3ヶ月間を乗り切っていて。そうやってアウトプットし続けてばかりいると自分のなかのバランスが崩れてしまうから、インプットすることも必要なんです。

――理想の働き方は?
諸先輩方の話を伺っていても思う、自分の理想の在り方は、ときどきゆっくり休んだり海外を旅したりして、戻ってきたらまた全力で作品を作るというパターン。

僕自身、歳を重ねることで、自分の人生にとって何が大切かを考えるようになったんだと思います。ただ闇雲に何かを創り続けていくのか、ちゃんと作って休んで自分の時間も持つのか。休むことで新しいアイデアを吸収したり、生まれたりもするだろうし、そのバランスをきちんと取っていきたいなと思います。

まずは、10月に少し休みが取れそうなので、海外にでも行ってのんびりします(笑)。そうやって戻ってきたら何かを創ると思うので、そのときはまた是非、話を聞いてくださいね!

――こちらこそよろしくお願いします!ありがとうございました!
城田優さん

来年は、舞台演出を手がけることが決定。挑戦は続く

>>インタビュー前編
僕は彼女を信用します―城田優が嫉妬心を抱かない理由

(取材・文/橘川有子 撮影/片桐寿憲 )

■ドラマ『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな 』シーズン2
http://www.lala.tv/watapro2/index.html
CS放送「女性チャンネル♪LaLa TV」にて放送中
「結婚できない、プロポーズされない女には、101の理由があった!?」
結婚“できない”“しない”女性のみならず、複雑な女心を知りたい男性も必見の人間洞察エンターテインメント。
10月は、シリーズ史上初となる男子主演回で話題急上昇となった第4話(城田優主演)に続き、城田優監督デビュー作となる第8話(渡部豪太主演・10/21ほか、放送)も登場♪<イケメン度UP>でますます目が離せない「わたプロ」お見逃しなく!

出演: 浅見れいな、芦名星、池田鉄洋、臼田あさ美、貫地谷しほり、小池栄子、酒井若菜、佐々木希、 佐藤仁美、釈由美子、城田優、中村倫也、夏菜、菜々緒、渡部豪太 (五十音順)ほか


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