伊藤歩の再ブレイク
一番重要なのは主演の伊藤歩の演技。バカバカしい設定を大マジメに、かつ楽しそうに演じています。並の女優だとあそこまでドラマがおもしろくなりません。伊藤歩で有名なのは十代で出演した岩井俊二監督の『スワロウテイル』の少女・アゲハ役。その後、二十代になると助演中心でしたが、昨年の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で北野裕一郎(斎藤工)の妻役で注目され再浮上。
今年になってNHKBSプレミアムの『その男、意識高い系。』で連ドラ初主演、『婚活刑事』で民放連ドラ初主演と活躍しています。
「事務所力」を考える
なぜ再注目されたのか。調べると2013年に所属事務所をセブンス・アベニューに移籍しているんですね。セブンス・アベニューは松嶋菜々子の元マネージャーが社長。松嶋菜々子が1996年に朝ドラ『ひまわり』のヒロインになった後、1997年に独立。「セブン=なな」で名前から松嶋菜々子メイン。
2003年にノンノモデルだった藤澤恵麻が所属となり、初めてのオーディションで『天花』のヒロインに。2004年に井上真央が子役時代の事務所から移籍。事務所が『花より男子』の原作権を持っていたことを武器に主演させてブレイク。
と、この三人で朝ドラ三作、大河ドラマ二作のヒロインという驚異的な実績を持っています。
飛躍するための移籍
他には白川由美が元は夫・二谷英明の個人事務所所属だったのを反町隆史版『GTO』で松嶋菜々子と共演していた縁で移籍。そして伊藤歩が五人目。すでに実績十分の白川由美以外の四人の売り出しに成功する、実力のある事務所です。
事務所の移籍というと芸能ニュース的にはトラブルで話題になりますが、それだけじゃなく飛躍するための移籍の例を見てみましょう。
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