シンガポールの有名料理研究家が作るプラナカン料理

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開放的な雰囲気のエントランス


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店内には世界各国で表彰された際のメダルや賞状が

シンガポールの料理研究家のさきがけ、テレビ出演などでも知られるヴァイオレット・オン(Violet Oon)の料理が食べられるおしゃれなレストラン。シンガポールの伝統料理として知られるプラナカン料理は、マレー半島にやって来た中国系の移民と地元女性との間に生まれた「プラナカン」の家庭に伝わる伝統的な味で、中華料理をベースに、地元の食材をあわせた、一種のフュージョン料理です。

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ヴァイオレットさんと、Singapore Island Iced Tea

お店は、白と黒を基調にしたコロニアル調のインテリア。壁や天井には100年以上前のものだという高価なアンティークのプラナカンタイルが埋め込まれ、細部の装飾までこだわりぬいた上品で優雅な雰囲気は、特に女性に受けそう。提供する料理は、プラナカン料理の伝統を守りつつ、独自にアレンジされた料理。特に、上質の食材を使ってさらに洗練されたものにしていると言います。飲み物は、シンガポールらしいものをと、Singapore Island Iced Tea(9シンガポールドル)を選びました。グラメラカ(黒砂糖のようなパームシュガー)のシロップ、ソーダ、カフィライム(こぶみかんの葉)レモングラスのスティックという組み合わせのオリジナルドリンク。パームシュガーの独特のコクと、レモングラスのすがすがしさにカフィライムのアクセントが利いています。実は全部、ビーフレンダン(プラナカンの代表料理のひとつで、スパイスの効いた牛肉の煮込み)のソースと同じ材料でできているんだとか。

プラナカン料理の味の決め手、様々な「サンバル」を楽しむ

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スターフルーツの酸味がさわやかなSambal Kim Chiam Udang

続いての前菜は、プラナカンのとても伝統的な食材、干した百合のつぼみを使った、Sambal Kim Chiam Udang(15シンガポールドル)。
プラナカン料理の味の決め手となる「サンバル(チリソース)」は各家庭ごとに独自の調合で作られ、食材に合わせて違ったものが使われています。この料理に使われているのは、6種類のサンバルを使い分けているということでした。こちらは、比較的ポピュラーなSambal Kim Chiamというサンバルで、比較的酸味がつよいもの。干した百合のつぼみは、酸味と辛味が際立つサンバルとあわせて。花の香りはあまりしませんが、歯ざわりの良い食感が面白く、さわやかな中にほのかな甘みのあるスターフルーツと海老が、辛味をマイルドにしてくれます。
プラナカン料理の中でも、ペナンなどマレーシア北部のものは、タイ料理の影響を受けているといいますが、こちらもどこかタイ料理のパパイヤサラダを思わせるような味わいです。

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伝統食材のペタイ豆が使われている

続いては、違った種類のサンバルが入った料理、Sambal Petai with Prawns(18シンガポールドル)は、干し海老のたっぷり入ったサンバル、サンバル・ブラチャンが味の決め手。濃厚な海老の香りと、プラナカン料理で伝統的に使われる、さくさくとした歯ごたえと旨味のあるペタル豆を、自然な甘みの感じられる海老とともに炒めたもの。程よい辛味と干し海老とペタイ豆の濃厚な旨味で、ビールのおつまみなどにもぴったりです。このペタイ豆には抗菌作用や抗酸化作用があり、とってもヘルシーなんだとか。

モダンにアレンジした料理と、素材をアップグレードした伝統の味

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ラクサのソースを使った魚料理

Cod in Creamy Laksa Sauce(32シンガポールドル)は、脂の乗った鱈の表面をかりっと焼き上げ、伝統料理のスパイシーなココナッツ麺、ラクサのソースと合わせて。フレッシュなコリアンダーリーフを使ったソースがアクセントに添えられています。味のバランスを考えて、通常よりスパイスを控えめにしたというソースは、ココナッツミルクの甘みが、クセのない上質な鱈の身とよく合います。

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プレミアム素材を使ってアップグレードした牛肉料理

そして、お肉は、ヴァイオレットさんが料理を教わったという大叔母のナニー(Nanny)さんの名前を冠した、原点とも呼べるプラナカン料理、Auntie Nanny's Daging Chabek Beef Cheek(35シンガポールドル)を。
じっくりと火を入れた牛肉は、もともとのレシピより上質な素材である牛頬肉を使用。グラメラカ、タマリンド、ココナッツを加えたソースでホロホロに柔らかく煮込まれた肉は絶品でした。

 

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グラ・メラカはプラナカン料理に欠かせない調味料のひとつ

最後のデザートはお店一押しの、Gula Melaka Cake(12シンガポールドル)。グラメラカを使ったバターケーキとココナッツアイスクリームのコンビネーション。シンガポールではどうしても重たく感じられがちなバターケーキですが、ぱさつきがないため、アイスクリームの冷たく滑らかな食感と合わせることで、のど越しが軽くなります。

 

スパイスも油も多めな伝統的なプラナカン料理を、伝統を損なわずに、食感や温度まで考え、現代人の味覚にあうバランスの取れた洗練された味わいにする。そんなヴァイオレットさんの料理は、これからの時代に求められる伝統料理の形なのかも知れません。お邪魔したのは平日の昼間でしたが、郊外のお店にもかかわらず満席。昔を知る、杖をついたお年寄りから若いカップルまで、多くの地元の人でにぎわっているのが印象的でした。人気のお店のため、早めの予約がお勧めです。


<DATA>
Violet Oon Singapore
営業時間:ランチ 12:00~14:30、ディナー 18:00~22:30(平日)
朝食 9:00~11:30、ランチ11:30~14:30、ディナー 18:00~22:30(土曜・日曜日)
(月曜休)
住所:881 Bukit Timah Road, Singapore 279893
電話:+65 6468 5430
アクセス:MRTオーチャード駅周辺からタクシーで20分ほど



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