感染症/感染症のしくみ・感染経路・予防法・治療法

医師が教える免疫力UP術!白血球を活性化させる3方法(2ページ目)

風邪に罹りやすい人と罹りにくい人。この違いには、個々人の「免疫力」が大きく関係しています。特にインフルエンザやノロウイルスが流行る季節は、予防法に関心が高まるもの。免疫力を高めるにはいくつかのポイントがあります。免疫の仕組みを踏まえ、免疫力を上げるために効果的な3つの方法を解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

免疫を高めるポイント1:栄養のある食べ物・バランスのよい食事

栄養

野菜嫌いはよくありません

免疫を高めるために欠かせないのが、食事です。白血球が常に増えていくためには、タンパク質や脂肪、糖分やミネラル、葉酸など数多くの種類の栄養素が必要になります。

どの食材・サプリ等だけを摂れば良いというものではなく、バランス良く、必要な量の食事を取ることが重要です。 好き嫌いせず野菜を含めて、いろいろな食材を食べるようにしましょう。

腸は食材を消化、吸収するだけでなく、免疫に関わっています。免疫を担当する免疫細胞と善玉と呼ばれる腸内細菌によって、腸内環境が整えられることになり、免疫力強化につながります。腸内細菌について詳しくは「現役医師が教える!風邪予防「5つ」の方法」をあわせてご覧ください。

免疫を高めるポイント2:最低7時間の睡眠が理想的

睡眠

十分な睡眠と休息を取っておきたいものです

睡眠もとても重要です。睡眠不足の人は風邪や感染症にかかる危険性が高く、4倍以上のリスクがあるというデータがあります。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAric A. Prather先生らは、18歳から55歳の成人164人を対象に、風邪のウイルスであるライノウイルスを感染させ、1週間の睡眠時間を調査し、鼻粘膜のサンプルなどから風邪を引く割合と睡眠量の関係を検討しました。

1日の睡眠時間が6時間未満であった人は、最低7時間の睡眠を取った人と比べて風邪をひく可能性が4.2倍高く、睡眠時間が5時間未満では、風邪をひく可能性は4.5倍になりました(SLEEP 2015;38:1353–1359)。

このことから、睡眠不足は免疫力が低下することが証明されたのです。もちろん、風邪をひいてしまった後でも、免疫を高めるためにゆっくり休むことは重要です。

免疫を高めるポイント3:ストレスを溜めない! 適度な運動・気分転換を

運動

ストレス解消に体を動かしましょう

ストレスもまた免疫力を落としてしまいます。ストレスによって自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になり、消化吸収が悪くなります。そのため、白血球に必要な栄養が不足してしまいます。

また、交感神経が優位になると寝付きが悪くなり、睡眠不足になります。睡眠不足は免疫を低下させるうえ、身体にストレスが加わるという悪循環が生まれます。

さらに、ストレスがかかると身体には「副腎皮質ホルモン」が産生されます。このホルモンには炎症を抑制する作用があるため、免疫力を下げることになります。

ストレス解消には、適度に運動したり、趣味を持ったり、ゆったりとした気分になるのが大事です。そして、心の安心をもつためには、「大丈夫」「何とかなる」「1人じゃない」という言葉を心に留めていたらよいでしょう。


どれも当たり前のことのようですが、徹底しようと思うと意外と難しいものばかりですね。しかし、病気は予防が第一です! 早期予防のために、「免疫を高める3つのポイント」を普段の生活からできるだけ意識して行ってみてください。免疫力を高めて、健康的な身体を作りましょう。
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