W杯2次予選突破は確実のはずが…
日本代表にいま必要な、攻めの形とは?
日本のグループEは、シリア(121位)、アフガニスタン(130位)、シンガポール(157位)、カンボジア(180位)となっている。カッコ内の数字は国際サッカー連盟“FIFA”が9月3日に発表した最新ランキングで、日本はアジア3位の58位である。普通に考えれば、日本が悠々と首位通過できる組み合わせだ。
ところが、現実はそこまで簡単ではないのだ。
対戦相手に広がる対日本の戦略
6月16日に行われた2次予選の初戦は、ホームのシンガポール戦だった。対戦相手の超守備的な戦術に苦しめられ、まさかのスコアレスドローに終わった。9月3日のカンボジア戦もホームゲームだった。シンガポール戦に出場できなかった長友佑都(28歳・インテル/イタリア)が先発に名を連ね、香川真司(26歳・ドルトムント/ドイツ)が所属クラブで好調をアピールしていた。今夏にドイツ・ブンデスリーガのマインツへ移籍した武藤嘉紀(23歳)も、直前のリーグ戦で2ゴールをマークしていた。守備陣にケガ人が出ているものの、カンボジアとの力関係を考えれば大きな影響はないと思われた。
しかし、カンボジア戦もすっきりとしたゲームとはならなかった。本田圭佑(29歳・ミラン/イタリア)、吉田麻也(27歳・サウサンプトン/イングランド)、香川のゴールで3対0の勝利をつかんだが、それ以上にチャンスを生かし切れなかったゲームだった。34本のシュートで3点では、客観的に見ても効率が悪い。
カンボジア戦から5日後の9月8日、日本はアフガニスタンとのアウェイゲームに臨む。10月にはシリア、11月にはシンガポールとカンボジアと、さらにアウェイゲームが続く。W杯2次予選は、急ぎ足で佳境へ向かっていく。
各チームの消化試合数が増えてきたことで、お互いの長所と短所がはっきりしてきた。日本と相対するチームはどこも、守備に軸足を置くだろう。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(63歳)が率いる“サムライブルー”はパス回しを得意とするが、ゴール前を固めれば大量失点は防げる、という認識が対戦相手に広がりつつある。
>>守備を固める相手に対して、日本代表はどう攻めればいいのか?