中古バイク/中古バイクの選び方

スズキGSX1400 中古車で手に入れるクルーザーの快適さ(2ページ目)

特色のある各メーカーの大型排気量ネイキッドを迎え撃つべく、スズキが導き出したのは、お家芸「油冷エンジン」を搭載したGSX1400でした。フラッグシップネイキッドの後発モデルとして、市場No.1を獲るために作り込まれたGSX1400の中古車の選び方と、魅力についてお話します。

田中 友里

執筆者:田中 友里

中古バイクガイド

GSX1400の中古車の相場観と購入時に注意する点とは

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2008年 GSX1400スペシャルエディション サイドビュー


油冷エンジンで初のインジェクション搭載モデルとなったGSX1400。2001年から2008年の7年間と比較的短期で販売が終了してしまいましたが、流通量はそれなりにあるため車両探しは苦労しないでしょう。エンジン自体も丈夫なので、多少は走行距離がかさんでいても問題はありません。そこが許容できれば、購入価格を抑えることにもつながります。安心して購入できる乗り出し価格は90万円以上がひとつの目安になるでしょう。

車体で注意して見ておきたいところは以下の通りです。

■フロントフォークシールなどのゴム部品の劣化と、 フォークオイルの漏れ

ゴム部品は消耗品なので、経年劣化は避けられません。ひび割れはオイル漏れの原因となるため、目立つレベルはスタッフに確認をしましょう。
フロントフォーク

フロントフォークシールの劣化、フォークオイル漏れの有無を確認しましょう


■エンジン部分(主にエンジン上部ヘッドカバー周辺)のオイル漏れ

エンジン本体とカバーの間で、漏れを防いでいるガスケットという部品がありますが、この部品も経年劣化します。にじみ程度なら許容範囲ですが、漏れ(垂れ)は車両の状態をスタッフに確認するとよいでしょう。
ヘッドカバーオイル漏れ

エンジン上部のヘッドカバーからオイル漏れがないかを確認しましょう


■車体とマフラーの隙間が極端に狭まっていないか

大きな転倒歴がある場合、マフラーサイレンサーが内側へ入り込んでいることがあるので、極端に隙間が狭い場合はスタッフに車両の状態を確認しましょう。
マフラーサイレンサー

マフラーサイレンサーが内側へ食い込んでいないかをチェックしましょう


■ヘッドライトと、ビキニカウルの隙間が不均等ではないか

ヘッドライトとビキニカウルの隙間が不均等の場合、転倒歴がある可能性があります。社外パーツの場合、多少のズレが生じることもあるので許容範囲です。
ヘッドライト

ヘッドライトとビキニカウルの隙間が均等かチェックしましょう


■ハンドル、ステムストッパーが欠けたりしていないか

ハンドルを左右に切ると、一定のところで止まります。ハンドルがタンクなどに当たるのを防ぐ役割を担うハンドル&ステムストッパーがあるためです。大きな事故をしている車両は、この部位が欠けていたり、変形していたりすることがあるので、注意して見てみましょう。
ハンドル、ステムストッパー

奥にある黒い扇状の部位がハンドルストッパー。手前にある銀色の突起部分がステムストッパーです

 

油冷エンジンにこだわった、GSX1400の魅力とは

開発当初、の水冷エンジンを搭載する案も検討されていたGSX1400。隼は、フルカウルを前提として開発されたエンジンのため、外見上メカニカルな部分が存在しています。それは機能美といえるものですが、ネイキッドモデルであるGSX1400には、「造形美」が求められました。

油冷エンジンを採用することで美しい冷却フィンの造形美と、排気量にそぐわないコンパクトな構造、ひいては775mmという足着きにも貢献したシート高をももたらした上、ビッグネイキッドモデルの中で1400cc油冷エンジンのライドフィーリングは独特なものでした。

街乗りから高速巡航まで平然とこなしてしまう部分は、人によって「面白みがない」と表現をされることもありますが、低速から高速域まで軽くアクセルを捻ればどこからでも加速をする太いトルクは、バイクでありながら、クルマに乗っている錯覚をおぼえるほどです。例えるなら元来のグランツーリスモ*とでもいいましょうか。大排気量の速度を楽しむのではなく、圧倒的なトルクが生み出すVIPカーのような優雅な乗り味が本来の魅力なのかもしれません。

*グランツーリスモ……自動車カテゴリーのひとつ。本来の位置づけは長距離ドライブに適う高いパフォーマンスおよび高いラグジュアリー性を持つ車種でした。過去のヨーロッパ自動車レースでの過激な性能競争を避けるため参加車両の規定を当初のレース専用車から一般的な市販車ベースの高性能ロードカーへ変更することが多く行われたことで、レースにも参加できる高性能車種または、優れた走行性能を持つロードカーという認識が定着しています。

取材協力
MFD モトフィールドドッカーズ東京本店

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