株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

「ゴールデンクロス」は本当に有効か?

「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」は、取引のタイミングを示すサインとして有名です。具体的には、ゴールデンクロスが買いのサイン、デッドクロスが売りのサインと言われています。これらを組み合わせて「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」のが有効と考えられますが…。はたして、この取引手法は本当に有効なのでしょうか。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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チャートは、株を取引するタイミングをはかるのに有効です。タイミングを示すサインの中でも、「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」は特に有名で、投資家であれば殆どの方がご存知でしょう。

「ゴールデンクロス」とは、短期の移動平均線が上昇して長期の移動平均線と交差し上へ突き抜けたところを指しており、買いサインと言われています。

一方、「デッドクロス」は短期の移動平均線が下降して長期の移動平均線と交差し下へ突き抜けたところを指しており、売りサインと言われています。

言葉だけでの説明では、イメージするのが難しいかもしれません。理解を深めるため、チャートを用意しました。以下のチャートをご覧下さい。

ゴールデンクロス・デッドクロス

ゴールデンクロス・デッドクロス

上記のチャートでは、日々の値動きと、25日移動平均線と5日移動平均線を示しています。このとき、オレンジ色で囲われた箇所がゴールデンクロス、灰色で囲われた箇所がデッドクロスです。

図を見れば分かるとおり、2本の線が交わったところを確認するだけで、簡単にサインを確認できます。理解しやすく、シンプルでもあるため、これらのサインは幅広い投資家に利用されています。

これら2つのサインを組み合わせると、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」のように取引するのが有効そうです。仮にこの取引手法が有効ならば、利益を出すことができそうです。

 

「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」は有効か?

 

ただし、ここで気になることがあります。それは、これらのサインが果たして本当に有効なのか?という点です。

仮に「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」という取引手法が有効でなければ、利益を出すどころか、損失を被ってしまうかもしれません。そんなことがあっては、本末転倒です。

そこで今回は、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」という取引手法が、本当に有効なのかどうか、調べることにしました。具体的には、過去25年分の株価データを使って、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売る」のように取引を行った場合の、過去の成績を確認します。

では、早速確認してみましょう。この取引手法の有効性を確かめるため、以下の条件で取引した場合のデータを集計してみました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
対象銘柄:全銘柄
検証期間:1990年3月~2017年7月
買いルール
・5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けした場合、翌日成行で買い
売りルール
・5日移動平均線が25日移動平均線を下抜けした場合、翌日成行で売り
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

以上の条件で過去の株価データを集計したところ、以下の結果が得られました。

 

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