日本はいわずと知れた災害大国。大地震の脅威はもちろんですが、地球温暖化や異常気象の影響で台風は年々大型化、集中豪雨も日常化しつつあり、毎年、各地に深い傷跡を残しています。今回は先日襲来した台風15号の被害状況などを振り返りながら、住まいとの関係について考えていきます。

台風15号が上陸した九州地方はどうだった!?

さて、関東などと異なり、九州出身者は台風が来るといってもそれほど大騒ぎをしません。学校などでも案外、普通に授業が行われ、滅多なことでは休校することはありませんし、特別な備えをすることもまれです。少なくとも私が子どもの頃はそうでした。

大阪

8月25日の大阪市内の様子。雨はそれほど強くなかったが、夕方にはしばし突風が吹く場面が見られた(クリックすると拡大します)

しかし、近年は状況が異なっているようです。2015年8月25日に九州地方を直撃した台風15号。私は福岡県出身で現地に多くの友人がいますが、Facebookの投稿をみると今回の台風ではみんな大変な経験をしたようでした。

例えば「車の中に携帯電話を忘れてたため取りに行こうとしたけど、風が強すぎて取りに行けない。それに呼吸が苦しくなった」という投稿がありました。

「車が下から吹き上げられて、車を運転するのが大変だった」などという人や、宮崎県にいた友人は「ホテルの建物自体が揺れているのがわかるほどの強風が吹いていた」と、体験談を掲載していました。

もちろん、各地に大きな被害が発生しました。トラックが横転したり、建物の屋根が飛ばされるなどの被害が発生。また、飛来物が窓ガラスを破り、ガラスでケガをした人が出たというニュースもありました。

この日、私は新幹線で東京から大阪に出張するため移動していましたが、山陽新幹線は始発から博多から広島の間で運行がストップ。ちょっと進路が東よりだったらやばかったですね。もちろん、九州新幹線も全面的に運行を中止していました。

現地の報道機関によると、福岡市の中心部でオフィスビルや商業施設が集まる天神地区では人影がまばらとなり、「都市機能が停止した」(西日本新聞)状況となったそうです

九州電力管内では47万戸の住宅が停電になったそうで、鹿児島県では27日時点でも一部で停電が続いていました。まだ、暑い時期ですから電気が使えないのは大変なこと。このように、市民生活や地域経済に大きな影響を与えたのが台風15号でした。

さらなる巨大化が予想される台風 被害拡大の懸念も

台風15号は風の強さに加え、雨も強かったようです。福岡県や佐賀県、山口県では1時間に約120ミリの猛烈な雨が降り、気象庁が記録的短時間大雨情報を発表しました。これにより、崖崩れなどの被害も発生しました。

強風体験

台風の強風を体験できる施設の様子。ある一定の強さ以上の風が吹くと、人は立つことはおろか呼吸することも難しくなる(セキスイハイムの蓮田工場内で撮影。クリックすると拡大します)

何がいいたいのかというと、台風の勢力が年々大きくなっているということです。かつて(私が高校生くらい)までは、台風といっても1000hPa以下で上陸してくることは非常にまれでした。

ちなみに、hPaは「ヘクトパスカル」と読み、気圧の高さを表します。これが低いほど、台風の勢力が強いことを意味します。台風15号は熊本県に上陸した時点で960hPaでしたから、かなりの勢力を保っていたことになります。

勢力が強い台風で思い出されるのが、2013年11月にフィリピンを襲った大型台風「ヨランダ」。まるで津波が到来したような高潮被害もあり、死者6201人、負傷者28626人、行方不明者1785人、被災者数1600万人以上、倒壊家屋約114万戸という甚大な被害が発生したことが思い出されます。

この台風は「メガ台風」とも呼ばれています。懸念されるのは、このクラスの台風が今後、日本にも到達するのではないかということです。もちろん、地球温暖化による異常気象が原因で発生するとされていますが、台風15号はメガ台風到来を予兆するように私には感じられました。

これは沖縄や九州、四国、紀伊半島などこれまで台風で大きな被害を受けてきた地域にさらなる危機が迫っているということのほか、それ以外の地域でも被害が拡大するかもしれないということを意味します。

では、その対策として住宅分野ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。次のページで現状をご紹介します。