HONDA(ホンダ)/ホンダの車種情報・試乗レビュー

ホンダ・ジェイドRSの上質な乗り味に驚き!(2ページ目)

ホンダ・ジェイドに加わった純ガソリン仕様の「RS」。ハイブリッド大国の日本にあってどれだけの販売比率になるか分からないが、1.5Lターボの走りは速く、爽快そのもの。走りも楽しめる3列シート車をお探しなら適任だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

しなやかな乗り味

ホンダ・ジェイドRS

「RS」のロゴがグリル内などに配されるほか、17インチアルミホイールが「RS」専用装備として用意される


さて、追加された純ガソリン仕様の「RS」は、フィットなどでもお馴染み、古くは1970年代のシビックまでさかのぼるようだが、「ロードセーリング(Road Sailing)」の略で、「レーシングスポーツ」のではないのはご存じのとおり。

「Sailing」は帆走、出帆などの意味もあるように、「Road Sailing」には風を受けて海(道)を進むヨットのようなイメージも込められているとすると、乗り心地の良さは欠かせないのだろう。

歴代のフィットなどではやや硬い印象もあった「RS」だが、先述したようにジェイドRSは「Road Sailing」のイメージどおり滑らかな乗り心地を味わえる。一般道から高速道路、山岳路までシーン、速度域を問わず印象は大きく変わらず、3列シート車にふさわしい味付けだ。

しかも、ハイブリッド仕様のジェイドと比べると、全体に軽快感がある。車両重量はハイブリッドも純ガソリン仕様の「RS」もほとんど変わらないから、新型ステップワゴンから搭載されている1.5Lの直列4気筒DOHCターボの恩恵もあるかもしれない。

力強い加速感も印象的

ホンダ・ジェイドRS

ステップワゴンと同じ1.5Lの直噴ターボを搭載。ステップワゴンよりも150kg前後は軽いだけに動力性能には不足を感じさせないどころか、速さも味わえる


150ps/203Nmを発揮する1.5Lターボは、100~150kgほど重いステップワゴンでも必要十分な動力性能を確保しているだけに、大人2~3人分軽いジェイドRSなら十分どころか、予想よりも速い!「ECON」スイッチをオンにしたままでも軽快だし、オフにすれば高速道路の追い越しや山岳路でも力強い加速が得られる。

軽快なハンドリングとフットワークのよさもストリームの美点を受け継いでいる。ジェイドRSに備わる「アジャイルハンドリングアシスト」は、レジェンドにも搭載されているが、ブレーキを制御することで旋回性やライントレース性を高める装備。

「アジャイルハンドリングアシスト」の介入を感じさせるほど違和感も抱かせず、3列シート車でも「運転が退屈なのはイヤ」という方にこそジェイドRSの価値があるというものだろう。

トランスミッションはCVTなので、ダイレクト感は薄いものの回転ばかりが上がって速度が付いてこないという、CVTの難点もよく押さえ込まれているし、パドルシフトも備わるからCVTとはいえ、退屈な変速にならずにすむし、もちろんイージードライブも可能。

運転の楽しさが味わえるジェイドRSだが、アクセルペダルの踏み過ぎを反力で伝える「リアクティブフォースペダル」は、気持ちよくはない。アクセルを踏んでいく途中で板を踏んでしまったような感触で気持ちよさをスポイルしてしまうのだ。

運転の楽しさも求めるなら適任

ホンダ・ジェイドRS

パドルシフトが備わるジェイドRS。インパネはホンダらしくメカっぽい雰囲気が漂う


省燃費運転は時代の要請だろうが、こんな装備がなくてもドライバーの工夫と意識ひとつでエコドライブは可能だし、車両側ももっと根本から燃費を磨き上げて欲しい。

ハイブリッドも含めてジェイドの乗り心地、パッケージングなどはよくまとまっている。ロールーフ・ミニバンの市場は、ミニバンの中ではニッチだろうが、今後も魅力をブラッシュアップさせてロングセラーになって欲しい一台に仕上がっている。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます