昨年の記事(「フィギュアのジュニアグランプリシリーズって?」)でもご紹介しましたが、五輪チャンピオンや世界チャンピオンとなった選手たちの多くも、数年前のジュニア時代に世界をめざして戦っていたのが、ジュニアのグランプリシリーズです。
過去の五輪では、16歳前後で女王も
「ジュニアの選手」とひとことで言っても、2年半後の2018年ピョンチャン五輪で活躍……どころかもしかしたら優勝する選手が出場している可能性もあります。特に女子選手の身体的なピークは男子選手よりも低い年齢で訪れることが多いもの。たとえば、2014年ソチ五輪金のアデリーナ・ソトニコワ(ロシア)は17歳で、2002年ソルトレイクシティ五輪金のサラ・ヒューズ(アメリカ)と1994年リレハンメル五輪金のオクサナ・バイウル(ウクライナ)はともに16歳で、1998年長野五輪金のタラ・リピンスキー(アメリカ)は15歳で優勝しています。
ピョンチャン五輪で16歳になっている選手を探してみると、そういう選手たちは現在13~4歳くらい。今からジュニアの選手たちの演技を見て、「この選手、いいなあ」とか、「もしかしたらこの選手、ピョンチャン五輪ではすごいことになるかもしれないなあ」などと想像するのも楽しいものです。
ちなみに、2014年ソチ五輪の2シーズン前の2011-12シーズンのジュニアグランプリシリーズを振り返ってみると、ユリア・リプニツカヤ(ロシア)が、ジュニアグランプリ2大会で優勝し、ジュニアグランプリファイナルでも優勝しています。男子では、ジェイソン・ブラウン(アメリカ)が活躍しました。(※ブラウンは、この翌シーズン、ソチ五輪の前シーズンである2012-13シーズンまでジュニアグランプリシリーズに出場。ソチ五輪シーズンが初めての本格的なシニアデビューシーズンでした)
このシーズンのジュニアグランプリファイナルの結果は、こちらです。
2015-16シーズンのジュニアグランプリシリーズの展望
10月上旬までに7試合あるジュニアグランプリシリーズですが、第1戦のスロバキア大会は、すでに19日~22日に終了し、今週26日からは2戦目、ラトビアでの大会が始まります。ジュニアグランプリシリーズに出場する日本のジュニア選手たちも、強豪ぞろいです。
昨シーズンの世界ジュニア選手権3位の山本草太選手(高校1年生)や、同大会3位の樋口新葉選手(中学3年生)。さらに今シーズンからジュニアグランプリに出場する、中学2年生の三宅星南選手や島田高志郎選手、青木祐奈選手、本田真凛選手らが新風を吹き込みそうです。
シニアの選手たちと比べるとまだ身体が細く、これから身体が作られていく男子選手たちですが、それでもすでに4回転を複数跳んでいます。まだ身体の軽い女子シングルでは、3回転ルッツ+3回転ループや、3回転ルッツ+3回転トウループなどの難しいコンビネーションだけでなく、トリプルアクセルを跳べる選手も少なくありません。
近い未来のチャンピオンが出場しているかもしれないジュニアグランプリシリーズの各大会は、ISUのYouTubeチャンネルやCSのテレ朝チャンネル2で見られます。