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ヤクルト・山田がトリプル3どころか四冠王の可能性も

3割、30本、30盗塁の「トリプル3(スリー)」に向けて邁進するヤクルトの山田哲人内野手。しかし、昨今の好調ぶりを鑑みるに“トリプル3どころではない”快挙を達成する可能性が見えてきた。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

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プロ野球タイ記録となる4打数連続本塁打

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ヤクルトからスーパースターが誕生した。山田哲人内野手(23)は8月22日の中日戦(神宮)で、4打席目までに1四球をはさんで29号、30号2ラン、31号3ランと3本塁打をマークし、前日21日の最終打席から4打数連続本塁打としてプロ野球記録に並んだ。3割、30本、30盗塁の「トリプル3(スリー)」が目標の山田だが、早くも本塁打をクリアし、打点を入れての四冠王も夢ではなくなってきた。

「3本ともギリギリだったので、神宮球場で良かったです。全打席ともしっかりとフルスイングすることを心がけています」

一回に浜田達郎から左翼へ放った29号ソロがまさに号砲となった。五回には高目に抜けて来た変化球を逃さず振り抜き、自身初の30号2ラン。六回には山本雅の141キロストレートをライナーで左翼席に叩き込む31号3ラン。

本塁打は8月20日のDeNA戦(横浜)から3試合連続で、1試合3本塁打は自身初。前日21日の最終打席となった八回の28号ソロから、四球をはさみ4打数連続本塁打は、王貞治氏、球団では2003年の古田敦也、2013年のバレンティンに続くプロ野球タイ記録(19人目、20度目)となった。

「まさか自分が4打数連続で打てるとは思ってもいなかった。30本は目標だったから素直に嬉しい」


「トリプル3」どころはない快挙を達成する可能性も

実は、「トリプル3(スリー)」どころか、大変なことが起こるかもしれない。

この日、4打数4安打で打率は.334。5月6日には打率.242まで落ち込んだのをここまで盛り返し、同僚の首位打者・川畑(.335)に1厘差と迫った。31本塁打は、同じく同僚の畠山(22本塁打)を大きく引き離した。打点はこの日の7打点を加え、畠山(84)を射程圏にとらえる79。盗塁は、昨年の15個から大幅に増やして25個を数え、DeNA・梶谷に3個差をつけてトップを走る。

つまり、三冠王どころか四冠王も夢ではなくなってきたのである。そうなれば、もちろん、史上初の快挙だ。

今季の山田の成功は、スタートのタイミングや技術を磨いた盗塁の増加にある。「走ると周りが見えるようになるし、視野が広がる」と杉村打撃コーチ。状況判断が良くなったことが打撃にも好影響をもたらし、さらに、右の壁を作り、始動を早め、間を取るという修正が、打撃を飛躍的に向上させた。 

20号に続き、30号もリーグ一番乗りを果たした山田。「トリプル3(スリー)」では、30本塁打が一番難しいといわれているが、それをまずクリアしたことは大きい。また、チーム(前身時代も含め)でリーグ30号1番乗りは6人目(9度目)だが、過去8度はいずれも本塁打王に輝いているという嬉しいデータもある。

残り30試合。チームも14年ぶりのリーグ優勝をあきらめていないことも後押しとなる。山田のバットと足から目を離せない。
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