「子供のほめ方」にも良し悪しがある
子供をやる気にさせるほめ方をマスターしよう!
ほめたことで子供が傷ついたり、やる気をなくしたりするなんて、ちょっと信じがたいかもしれませんが、実際には、悪影響をもたらすほめ方というのが存在します。その良し悪しの線引きをクリアにし、上手にほめるコツをご紹介していきます。
こんなほめ方に注意! その1:ほめ過ぎ
子供はほめられるのが大好きです。親も叱るよりはほめる方が得意です。しかしそれがエスカレートし、ほめ過ぎ状態になると、子供のモチベーションが急降下することがあります。とくに、- プライドが高い子
- 性格的に慎重な子
ほめられるのが大好きな子供たちは、親に「できる子」のレッテルを貼ってもらえれば大喜びです。しかし、そのレッテルを貼られた以上は、メンツを守らねばなりません。とくにプライドが高い子やリスクに対して慎重な子は、何とかして“いい顔”を守りたいと思ってしまいます。そんなプレッシャーにさらされた子供たちは、それを叶える解決法を編み出します。それは「回避行動」。
失敗を恐れるあまり、あえてリスクを冒すようなチャレンジを避け、逃げてしまうようになるのです。親からすれば、その様子は、「やる気がなくなった」ように映ります。実際は、やる気がなくなったわけではなく、気負うあまりに二の足を踏んでしまっているのに……。
「ほめて伸ばす」が主流の現在、ほめればほめるほどモチベーションが上がるのではと親は思いがちです。しかしほめ過ぎは、子供に逃げ場を与えないので、結果的にモチベーションの低下につながってしまうのです。
こんなほめ方に注意! その2:数字でほめる
とくに、ほめたことで悪影響が出やすいのが、知能だということが分かっています。「あなたは算数が完璧」「いつも100点ですごいね」のように、能力ばかりをほめてしまうと、子供たちは、その基準を達成できない自分を受け入れにくくなってしまいます。「100点=いい子」ならば、「50点=悪い子」に思えてきてしまうからです。それにより、自己肯定感の低下を招いてしまいます。点数や成績をダイレクトにほめるやり方は、人間の価値を数字で測ってしまっています。私たちは今、「全教科100点」「年収1000万円」のように、より高い数値を良しとし、それらを追い求めてしまう競争社会に置かれています。でも子供の価値は、数字で測れるものではありません。
知能や才能などは、その子の魅力の1つであって、その子自身ではないことを、親がしっかりと区別して接する必要があります。幼少期からのお受験などで勉強のウェイトがますます大きくなっている現在では、なおさら意識していかないと、いつのまにか、親自ら、「100点=いい子」という目で見ていた、なんていうことになりかねません。
また、親の”物の見方”は子供にも伝わります。親が、子供の知能、才能、能力ばかりをほめてしまうと、子供も、物事を条件や肩書きで判断するようになってしまうので注意が必要です。
>次ページで、子供をやる気させる”時系列ほめ”をご紹介します。