驚愕!わが子の夏休みの宿題が終わっていない……
夏休みも残りわずか。そんなタイミングになって、わが子の夏休みの宿題がぜんぜん終わってないってことが発覚したら、親として、どうリアクションするのがいいのでしょうか。夏休みの宿題が終わっていなかったら、親は助けるべき?静観すべき?
学年にもよりますし、宿題の量や内容にもよりますし、子供の性格にもよります。正解はありません。ただ一つたしかなのは、衝撃の事実に出くわして、脊髄反射的にリアクションしてしまうのはまずいだろうということです。
将棋や囲碁のように、何手か先の展開を予測して、事前にリアクションの取り方を考えておいたほうがいいでしょう。その参考として、学年別にリアクションの例を挙げてみます。
1 低学年の場合
低学年のうちは、自力で事前に計画を立てて、しかも計画通りに実行することはなかなか難しい場合が多いと思います。計画を立てるときには、親が近くで見守り、場合によってはアドバイスをしてあげる必要があるかと思います。そしてその計画通りに実行するためには、ときどき親の声がけが必要かもしれません。それをしないでいきなり「ちゃんとやってなかったの!ダメじゃない!」と叱ってしまうのは低学年にとってはちょっと酷かもしれません。さりげなくサポートし、さりげなく見守り、さりげなく声がけして、あたかも本人が自分で計画を立てて、計画通りに実行できたかのような成功体験を演出して上げるのが理想。計画通りにできた日には計画表に花まるを付けてあげるなどというちょっとした演出で、低学年のやる気は持続します。逆に言えば、だから低学年のうちにそういう習慣を身につけさせたほうがあとが楽なのです。
やっていないことが発覚した場合には、いきなり叱るのではなく、「なぜできていなかったのか」「これからどうやって挽回するのか」を親子で話合いましょう。そこから計画を練り直し、さりげなくサポートし、さりげなく見守り、さりげなく声がけして、あたかも本人が自分で計画を立てて、計画通りに実行できたかのような成功体験を演出して上げられれば、それも大きな学びとなります。ついでに「ギリギリでも間に合うんだ」ということを学習させることにもなってしまうかもしれませんが……。
2 中学年の場合
計画くらいは自分でできるようになってほしい年頃ですが、特に個人差が大きく出る時期です。まあ、コツコツ型やラストスパート型など子供の性格にも違いがありますから、あくまでも子供の状態を見て、その子に合った対応をというのが原則ではあります。やっていなかったことが発覚したときのリカバーの方法は、基本的に低学年と同じでいいのではないかと思います。そこで足踏みをしているわけですから、焦って先に進ませるよりも、確実に目の前の一歩をクリアさせるようにしましょう。
中学年の場合、宿題を終えているか終えていないかよりも大事な観点があります。宿題への取り組み方です。宿題を、「しょうがなからやる役務」としてとらえるか、「どうせやるなら一生懸命取り組もう」と思えているか、大きな違いです。その後の学習態度にも影響があるでしょう。
一概に消極的な姿勢だからダメというわけではありません。宿題以外の、自分の興味があることには一生懸命になれるのなら問題はないでしょう。そのために自由研究みたいな宿題があるわけですけど。
自由研究のようなものも消極的な姿勢でしか取り組もうとしないのなら、それは本人の問題というより、まわりの大人がそう仕向けてしまった可能性があります。無意識のうちに、宿題を苦役のようなニュアンスで語ってしまう大人も多いのではないかと思います。中には宿題を罰のように使う学校の先生もいるかもしれません。「宿題=嫌なもの」という図式を大人から刷り込まれてしまっている可能性があります。
そういう場合には、「宿題しなさい」「勉強しなさい」のような命令口調をちょっと控えてみましょう。本人のやる気が出る前に命令してしまうと、自発性が育つチャンスを奪うことになってしまうからです。強靱な忍耐が必要であり、口で言うほど簡単なことではないのですけど……。
次ページへ「高学年以降の場合の対処法」について紹介します。