マグザムのユーティリティーはいまいち……では、走りはどうだ?
マジェスティやフォルツァのようなビッグスクーターの大きな魅力の一つがシート下収納が大きいことです。買い物など出かけた先で買ったものをそのままシート下に入れることが出来るのは移動手段として魅力的です。
しかし、マグザムの収納は容量が少ないためにユーティリティ面は期待できません。では走りはどうかというと、他のビッグスクーターよりも快適性が高い走りが体感できます。
まず街中での走行時に驚くのが足つきのよさです。他のビッグスクーターはカタログスペックだけ見ればシート高は決して高くはありませんが、シートが幅広なので足つきは決して良くはありません。しかしマグザムのシート高は655mm。身長165cmの私が跨っても両足べったりです。ボディは決して軽くはありませんが、驚異的に足つきが良いため不安は全くありません。ストップ&ゴーの多い街中でも快適です。
エンジンのスペックだけ見れば、マジェスティが19ps/6500rpmを出力するのに対して、マグザムは20ps/7500rpm。1馬力秀でているものの車重が10kg以上重いためパワーの優位性は感じません。
マジェスティやスカイウェイブのようにマニュアルモードやパワーモードなど走行モードの切り替えは付いていませんが、高速道路の巡航速度100km/hまで滑らかに加速します。大柄のボディのわりにスルスルと加速するのでパワー不足は感じず、ホイールベースの長さゆえにニーグリップの出来ないスクータータイプのわりに直進安定性に優れています。他のビッグスクーターと比べても直進走行時の安定性と快適性は群を抜いています。また、今回は二人乗りする機会はありませんでしたが、ローロングスタイルゆえに二人乗りしても快適に走行できそうです。
ロースタイルゆえにコーナリング時はすぐにセンタースタンドを擦ってしまうかな?と思ったのですが、思いのほか普通に曲がることができます。山道での走行やわざと倒しこむような走行をしなければ簡単に摺ることはありません。
マグザムはビッグスクーターの中でも快適性に秀でた一台
現行のビッグスクーターの中でマジェスティやスカイウェイブは走行を楽しむための豪華な装備が施されており、ホンダのフォルツァSiは装備は簡略化されたものの走行性能はアップグレードされていました。
それに対してマグザムは走行時の快適性を重視した車輌です。高速道路での100km/h巡航や街中での低速巡航でも非常に安定しており、ローロングスタイルの割にはコーナリング時にも不満は無く小さく曲がるのも苦になりません。
とにかく乗っていてストレスが少ないので長距離巡航しても疲れが少なそうです。家から事務所までの30km/h近い道のりには渋滞する幹線道路や車の流れが早い三車線道路、抜け道のために二車線分ぐらいのスペースをユーターンしなければならない道などがありますが、どのシチュエーションでも不安がなく快適性を感じました。
他のスポーティーなビッグスクーターに比べてスポーティーさという部分では劣るマグザムですが、ゆったりとしたクルージングにはまさにピッタリの一台です。
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マグザムのエンジン音やマフラー音、各部詳細はこちらの動画でご確認下さい。
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