「命の大切さ」の理解は、知識ではなく心に芽生えさせるもの
「かけがえのない命」は知識として教えるのではなく、「かけがえのない命だから大切にしよう」という気持ちが芽生えるような体験や親の姿勢を見せることが重要です
それらの対応や取り組みは非常に重要ですが、「かけがえのない命」は、教えられれば命を粗末にすることが無くなるのでしょうか……?
いくら知識として知っていても、「かけがえのない命だから大切にしよう」とする気持ちが子供自身の中に、芽生えていなければ、効果は非常に薄いものとなります。
ではいったいどのように子供に関わっていけば、その気持ちを芽生えさせることができるのでしょうか?
「命を大切にしよう!」という気持ちが芽生える親子ワーク
1 自分の命が後わずかだとしたら、どのような気持ちになるか考えてみる
「自分の命が後わずかだとしたら、どのような気持ちになる?」と、問いかけてみます。ただ漠然とした問いではなく、できるだけ具体的に子供がイメージできるように、「あと3ヶ月しか生きることができなかったら、何をしておきたい?」「誰にどういう言葉を伝えたい?」「お母さんに、どんな言葉を言う?」などを尋ねてみましょう。親子ワーク2
母親が余命宣告されたとしたら?親の気持ち、子供の気持ちをイメージする
「もし、ママがあと少ししか生きることが出来なかったら、○○ちゃんは、どうする?死んだら、もう会えないのよ…○○ちゃんを抱っこすることも、お話しすることも、ご飯を作ってあげることも出来なくなるの」と語りかけると、ほとんどの子供は、「そんなの嫌だ」という気持ちを抱くでしょう。そして、今度は反対に「ママの気持ちは、どうだと思う?」と尋ねましょう。ここで、人の立場に客観的に立って考え、感じる気持ちが養われます。
その時、子供を残し先に逝く無念さや、その悲しみ、辛さ、「○○ちゃんが、お腹空ていないかな、寂しくないかな」と気がかりなこと、成長していく姿が見れない残念な気持ちなどをしっかり伝えましょう。
子供は具体的な「死」をイメージすることで、「今、生きている」ことの素晴らしさや「かけがえのない命」に気づき、それを「大切にしたい」という気持ちを感じ始めるでしょう。
これらの問いかけには「正解」がある訳ではありません。親子で一緒に「死」や「生きる」ことについて考え、又そことによって親子の絆を深め、「命はたったひとつ、大切にしたい」という気持ちの芽生えを引き出すことにあります。
>>> 「命を大切にしたい」という心を育む親子の具体的会話