お抹茶をいただく前に出てくる和菓子。その和菓子を切って口に運ぶためには菓子切(かしきり)、もしくは黒文字(くろもじ)と呼ばれるものが必要です。
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和菓子を食べるのによく出てくる木で作られた菓子切(かしきり)。

菓子切はもともと、樹に黒い斑点があるクスノキ科の木“黒文字”で作られたことから、茶道では黒文字、黒文字楊枝と呼ばれていました。ちなみに、一説によると、茶道との関係が深い古田織部が用いたことから黒文字は広まっていったようです。

しかし、近年はプラスチックやステンレス製で素敵なデザインが施されているものも多くり、黒文字と区別するためにそれらを菓子切と呼ぶようになり、今では総じて菓子切とも言われるようになっています。

今回は、プラスチックやステンレス製ではない菓子切(=黒文字)に、黒文字という木が使われるようになったふたつの理由をご紹介します。


理由1:清潔感が保て、殺菌作用があったため

1つ目の理由としては、木から数多く作っていたためにすぐに捨てやすく、殺菌作用があったためと言われています。そのため、茶会などでは、新しいものをその都度用意していたとされています。口に運ぶものなので、清潔感を保つために殺菌作用があり、一度使ったら捨てるためとも言えそうです。

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おいしくいただくためにも、清潔感は重要です。

 

理由2:魔除けの意味をもつため

2つ目の理由は、黒文字は、独特の木の香りがあり、魔除けの意味があるとされていたからということもあるようです。

日本では香道(こうどう)といって木の香りを用いて香を「聞く」という文化がありますが、それと関連して香には魔除けの力があると信じられていたのです。
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独特の香りが魔除けとしても扱われていた黒文字、黒文字楊枝


正式な茶事では、お菓子と一緒に黒文字が添えられるので自分の菓子切や黒文字楊枝を使用することはありません。

しかし、大寄せの茶会などでは黒文字がないこともあるので、自分の菓子切や黒文字楊枝を使ってくださいね。
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自分の菓子切や黒文字があるといざという時にとても便利です!


菓子切も菓子切入れも自分の好みを取り揃えて、常に清潔に保ちましょう。
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