「キス動画」が女子中高生の間で流行中
MixChannelではキス動画が多数公開されている。「LOVE」カテゴリから見ることができる
動画が公開されているのは、スマートフォンで10秒の動画が撮影・編集「MixChannel(ミックスチャンネル。通称ミクチャ)」というアプリ。ダウンロード数300万、月間訪問者数380万、月間動画再生数5億4千万回という人気アプリです。ユーザーの8割を女子中高生が占め、ユーザーの3割が動画を投稿したことがあると言います。
このアプリには、キス動画が公開されている「LOVE」カテゴリの他、「おもしろ動画」「歌」「メイク・ファッション」など様々なカテゴリの動画が投稿されています。見たユーザーは、動画に「ハート(いいね)」やコメントなどをつけて楽しむことができます。
なぜキス動画を公開するの?
顔が分かる状態でキス動画を公開することにはリスクが伴う(写真はイメージです)
キス動画を公開している女子中高生の大半は、Twitterアカウントを公開しています。そちらを見ると、本名やプロフィールなどが掲載されていることも多く、本人が容易に特定できる状態となっています。顔や本名が分かる状態でキス動画を公開することに問題はないのでしょうか。
キス動画を公開するリスクは?
MixChannelの動画は、ユーザー以外でも誰でも見ることができる上、ダウンロード(保存)できます。誰かに保存されてしまった場合、もう二度と消すことはできません。本名と動画や写真を紐づけてネット上に公開されてしまった場合、取り返しが付かないことになるかもしれません。JOBRASS就活ニュース2016調べによると、人事採用担当者の37.7%が候補者をSNS(Facebook、Twitterなど)で検索すると回答しています。そして、19.8%が「投稿内容を重視する」とも答えています。
ある人事採用担当者は、「ある候補者を検索したら、恋人とのキスなどのプライベートで公開すべきことを全体公開で公開していて、心配になった」と言っていました。炎上事件があると、企業はCMや営業努力によって築き上げた企業イメージを地に落としかねません。企業が、炎上事件などを引き起こす可能性が高いと見られる候補者を採用するでしょうか。
また、ある私立の保育士専門学校では、教師が何気なく女子学生の名前を検索したところ、女子学生が全体公開で投稿していたベッドで恋人といちゃいちゃしている写真を発見。教育実習先の園の教員や保護者に見つかるリスクを恐れ、退学処分にしました。保護者がそのような写真を見つけて抗議した場合、園が教育実習の受け入れを拒む可能性を危惧したためです。その他、結婚という話が出た時に、過去のそのような動画が見つかって問題にされる可能性もあるかもしれません。
アプリが公開されたのは2013年12月であり、キス動画が流行してまだ1年あまり。本当の弊害が起きるのは、もっと時間が経った後でしょう。しかし、その時になってから後悔しても遅いのです。保護者は自分の子どもがそのような動画を公開していないかどうかを確認し、リスクを正しく伝えておきましょう。