細かな意匠もしっかりと再現
村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界
村野建築模型の森 縮尺/200分の1 素材/紙 制作・所蔵/京都工芸繊維大学木村・松隈研究室 撮影:市川靖史
戦前から戦後にかけて活躍した日本を代表する建築家、村野藤吾。すでに解体されたそごう大阪店や、グランドプリンスホテル新高輪(旧 新高輪プリンスホテル)、中目黒の目黒区総合庁舎(旧 千代田生命本社ビル)など、多くの人々に親しまれた建物を数多く残した彼は、大阪を本拠地に活動していたため「東の丹下(健三)、西の村野」と呼ばれることもありました。現在、彼が設計した山口県の宇部市渡辺翁記念会館、広島県の世界平和記念聖堂は国の重要文化財にも指定されています。
千代田生命本社ビル/現目黒区総合庁舎 1966年 縮尺/200分の1 素材/紙 制作・所蔵/京都工芸繊維大学木村・松隈研究室 撮影:市川靖史
この展覧会は、村野の建築設計図をもとに京都工芸繊維大学の建築学科の学生が制作した精緻な建築模型約80点を、図形や写真を交えて展示する展覧会です。従来、建築の展覧会は設計図やスケッチ、建物の写真とともに模型を展示することが多いのですが、今回の展覧会は大量の模型が中心。
会場にずらりと並んだ建築模型からは、細かいディティールや、地形や周囲の環境を考慮に入れた全体像など、平面の展示以上の情報量があります。彼のやわらかい曲線の様をさまざまな視点からじっくりと観察していきましょう。見るのに時間がかかる展覧会なので、疲れにくい靴でいくのがオススメです。
■展覧会DATA
展覧会名称:村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界
会場:目黒区美術館
会期:7月11日(土) ~ 9月13日(日)
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
Web: http://mmat.jp/
次のページでは大分県別府市市内各所で開催される別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」を紹介します。