何人かの選手たちが引退を表明
「あの選手、今シーズン、試合に出ていないなあ、怪我なのかなあ」とぼんやり想像していると、少し経ってから「実は引退していた」と知って驚くことが少なくありません。選手たちにも、決断や心の整理の時間が必要なのだと想像しますが、ある日突然若手選手のコーチとして試合会場に来ている姿を見かけたり、「すでに去年引退してたんだって」と知らされたりしたときの驚愕は、できれば感じたくないものでもあります。この6月、スティーブン・キャリエール選手(26歳〔引退発表時は25歳〕アメリカ)と、ジェレミー・テン選手(26歳、カナダ)、クリスティーナ・ガオ選手(21歳、アメリカ18日ハーバード)の3名が引退を表明しました。
キャリエール選手は、12月にボストン大学での最終学期を終えられるよう、勉強に集中するそうです。引退に関しての、キャリエール選手自身のコメントがあります。
▼参考:http://web.icenetwork.com/news/2015/06/10/129766270
ハーバード大学に進学した前後のガオ選手の演技は、叙情的になってきて、どんなスケーターになるのかと楽しみでした。ちょうど、大阪での四大陸選手権で4位になった2012-13シーズン頃のことです。コスチュームもいつも上品で素敵でした。今後は、銀行でのインターンシップを経験し、スケートではないキャリアを積むそうです。
▼参考:http://web.icenetwork.com/news/2015/06/17/131001090
2014-15シーズンを最後と決めて臨んでいたテン選手は、そのシーズンのカナダ選手権で2位となり、四大陸選手権、世界選手権、国別対抗戦にカナダ代表で派遣されることになり、現役続行と引退とに揺れたそうです。ですが、当初の予定通り引退を決めました。今後も、後進の指導や振付けなどでスケートに関わっていきたいとのことです。
▼参考:http://skatecanada.ca/2015/06/canadian-silver-medallist-jeremy-ten-retires-from-competitive-skating/
「もう、あのスケーターの演技を見られないんだ」と思うと、時間を巻き戻せないことがうらめしく思えてしまいます。20代前半から半ばで現役引退することの多いこのスポーツ。野球やサッカーのように試合の数が多くはないので、スケーターが元気に氷の上にいるうちに、できるかぎり見るべし、と改めて心に強く刻みました。
そして、引退ではなく、現役続行が判明した選手もいました。
ジェレミー・アボット選手(アメリカ)です。ソチ五輪シーズン後迷っていたけれど1シーズン続け、その後またどうしようかと考えていたようですが、来年1月の全米選手権での表彰台、そして世界選手権での表彰台をめざして、現役を続けるそうです。
6月30日で、2014-15シーズンは終わりです。7月1日からは、新シーズン、2015-16シーズンのスタートです。2015-16シーズンってまだ目になじまないですが、さてどんなシーズンになるのでしょうか。