最近は自社が供給した住宅だけでなく、他の事業者が建てた住宅や分譲マンション、あるいはオフィスビルなどのリフォームも手がける事例が、大手ハウスメーカーを中心に増えてきています。
ミサワホームはその代表格。木質ユニット住宅や鉄骨系住宅を中心に供給しているハウスメーカーですが、木造軸組工法やマンションのリフォームもしっかりとこなせるということをこのモデルハウスでアピールしているのです。
モデルハウスは1階と2階が戸建てリフォーム、3階でマンションリフォームの展示がされていました。まず、1階からみていきます。【写真1】はリビングですが、コーナーソファーはミサワホームのオリジナル家具、つまり新築住宅で提案されているものです。
キッチンスペースには防蟻処理に関するコーナーもあります。防蟻処理に用いる薬剤や10年保証などの詳しい内容を紹介。シロアリ被害にあった木材も展示されています(【写真2】)。
見どころはやはり耐震のコーナー(【写真3】)でしょう。耐震強度を高める工法の紹介はもちろんのこと、次世代耐震(制震)装置「MGEO(エムジオ)-R」も展示されています。
「MGEO」は元々、ミサワホームの戸建て住宅のために開発されたもので、ここにあるのはリフォーム用にアレンジされたもの。最先端の地震対策を、リフォームされた住宅にも搭載できるということで、ミサワホームのリフォームの強みの一つです。
【写真4】は最近ニーズが高まっているペットと共に暮らすためのリフォームの事例です。滑りにくいフローリング材や消臭効果のあるタイルなどで構成されています。
写真の中に斜めに床材が二つ展示されていますが、これは一般的なフローリング材と滑りにくいフローリング材の違いをわかりやすく説明するための仕掛けです。
2階には、収納提案や外装材、子ども部屋の提案コーナーなどがありました。例えば外装材については屋根や外壁塗装など様々な種類があります。それらのサンプルを見ることで、リフォームのイメージをしやすくなるはずです。
3階のマンションリフォームコーナーで最大の見どころは、スケルトンに関する展示(【写真5】)だと思います。この建物自体は木造ですが、このスペースは壁や床、間仕切り、設備のないコンクリートのスケルトン状態を再現していました。
ここでわかるのは、経年劣化した配管を取り除き新しい配管に入れ替えるなど、スケルトン(構造体)以外全てリフォームができるということ。それにより間取りも全て一新し、皆さんの暮らしに合わせた生活が可能になるわけです。
このほかに防音コーナーも設けられていました。マンションは共同住宅ですから音の問題への対応が重要になります。しかし、ミサワホームのリフォームでは家族や隣戸、下階の住民にも音の面で迷惑をかけずシアタールームを実現できることが、このコーナーでわかります。
ところで、リノベーションという言葉を最近、よく耳にするようになりました。これは構造体も含めた大規模なリフォームのことを表すことが多いですが、この言葉が定着してきたのはリフォームの世界でも皆さんの個別の生活スタイルに合わせた、より高い提案が要求されるようになってきたからだと考えられます。
ですので、構造体にまで手を加えるような大規模リフォームの場合はそれ相応の金額を要します。つまり私たちは業者選びをしっかりとする必要があるということを、改めて指摘しておきたいと思います。
今回紹介したミサワホームイングのモデルハウスは、今のリフォームの現状が良く表れており、リフォームにあたり私たちがどんなことを理解しておくべきかわかりやすいため、一見の価値があると感じました。
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