新築より身近に思われがちなリフォームだが…
リフォームは一般的に新築(建て替えを含む)を購入・建築するより、費用的な負担が少ないのが最大のメリットです。新たに土地を購入する必要がなく、元からある建物に手を加えるわけですから、そうなるのは当然です。リフォームは新築より手軽により良い住まいを獲得できると思われがちだが、閲してそんなことはない。事業者の「質」の見極めなど、注意すべき点は非常に多い
一方で、リフォーム工事が価格も含め適正に行われているのかを把握するのは、私たちにとって大変難しいものです。特にリフォーム専門事業者は千差万別。中には「悪徳」とされる業者すら未だに存在します。
耐震補強などリフォーム工事の全てに精通した事業者だけでなく、建設業に全く関係のない事業者もこの世界に参入しているケースすらあるのです。ですから、事業者の「質」を見極めづらいのがリフォームのデメリットともいえます。
ハウスメーカーがリフォーム事業への取り組みを強めているのには大きく二つの理由があります。一つ目は新築住宅で培った提案力や技術を活かせるため。この世界は中小事業者も入り交じる世界ですから、ハウスメーカー系列の会社には比較的信用力があると考えられます。
もう一つの大きな理由は、世の中の動き、ハッキリいえば国の住宅政策が新築よりリフォームを重視するようになってきているためです。例えば、住宅エコポイント制度では、新築よりリフォームの方が手厚い支援を受けられるよう制度設計が行われています。
近年は金融機関によるリフォーム専用の住宅ローンも登場しています。これも国の住宅政策の転換を受けたもの。転換したというのは「量から質」にであり、新築をたくさん建てるのではなく、質の高い中古住宅を増やすことに力点が変わったのです。
ユニークなリフォーム専用モデルハウスがオープン
というのも、住宅の数が世帯数を上回る状況になっているからです。具体的には、2014年には空き家数が820万戸となり空き家率は13.5%と過去最高を記録。要するに、あくまで数だけをみると、すでに新たな住宅は必要のない時代に我が国は突入しているのです。こうした状況から、これまで新築住宅を供給してきたハウスメーカーがリフォームの分野に積極的な動きをみせるようになってきました。ミサワホームもその一つです。
先日、そのグループ会社でリフォーム事業を専門に展開する「ミサワホームイング」のモデルハウスを見学してきましたので、詳しく説明しつつそれによりハウスメーカーのリフォームの特徴を確認してみたいと思います。
概要は以下の通りです。
名称=「戸建・マンションリフォームプラザ」
所在地=横浜市都筑区(ハウスクエア横浜内)
構造=木造軸組工法(3階建て)
延べ床面積=302.98平方メートル
別名として「マルム・ルルムのリフォーム館」という名前が付けられており、戸建てとマンションのリフォームについて、具体的な事例を紹介しているのが特徴です。
ユニークなのは、この建物がミサワホームではなく他の住宅会社の建物をリフォームしているという点。住宅展示場にあるわけですが、撤退した住宅会社のモデルハウスを建て替えず再利用しているのです。
リフォームについては普通、ショールームのようなスペースがモデルハウス代わりとなるのですが、それではリフォームの具体的なイメージがわきにくいものです。そうした欠点を補う建物なのです。
次のページで詳しくご紹介します。