犬と暮らすことを決める時、多くの人が「このコが命を全うするまで面倒を見る」と心に決め、その覚悟をもって愛犬との生活をスタートさせるはずです。しかし、人生には予期せぬことが起こることがあるもの。

愛犬の世話について家族間で統一ができているか

かけがえのない愛犬だから

愛犬の世話ができなくなった時はどうしよう?……/ (c)Tetsu/amanaimages

自分または家族の病気やケガ、入院などで普段愛犬の世話をメインにしている人が家族にそれを委ねなければならないこともあるでしょう。同じ家族であっても愛犬に対する想いや世話の仕方に温度差がある場合もあります。愛犬にとって必要なこと、どんなふうに世話をして欲しいかなど、万一の時のことを考え、家族間で意思疎通を図っておくことも必要だと思います。

信頼できる犬友達は強い味方

家族で愛犬の世話をすることができず、他人にお願いするしかない時もあります。そんな時に頼れるのは犬友達。善意から快く預かってくれる人も多いはずです。普段よく会ったり、散歩友達であったりすれれば、愛犬の性格や扱い方もある程度心得ており、安心して預けることができるのではないでしょうか。何かの折に、万一の時には愛犬を預かってもらえるかどうか打診しておく、そういう関係性を築ける犬友達をつくっておくというのも大切でしょう。

動物病院やペットホテルなどリサーチしておく

動物病院やペットホテルなどに預ける場合には当然料金が発生しますし、どのくらいの料金が必要になるのか、サービス内容、スタッフの対応、愛犬の生活場所となる環境、家からの距離などリサーチし、少しずつ情報を蓄えておくといいでしょう。たとえば、10日や2週間といったふうに最長期間というのを設けて、それ以上の日数は預かれないというところもありますので、条件についてもチェックが必要です。

近年では老犬ホームのように長期の預かりが可能となっている施設もありますが、同様に内容をチェックするとともに、費用も高額になってきますので、自分にそれが出せるか検討することも必要となります。

遺言や信託という選択肢も

一人暮らしであったり、自分が高齢であったり、または健康や生活状況に問題がある場合には愛犬の将来に対する不安も大きくなります。その不安を少しでも解消しつつ、事前準備として遺言書を作成する、信託を利用するというのも一つの選択肢かもしれません。最近ではペットに特化した信託も登場していますし、飼い主さんに万一のことがあった場合には、登録されている動物病院や施設などで愛犬の面倒をみてもらえるというサービスを用意しているペット保険会社もあります(会員制)。

遺言書は自分に代わって愛犬の世話をしてもらう代わりに、その人に財産を残すという形になりますが、自分の死後にそれが生かされるわけです。一方、信託の場合、死後はもちろん、病気になったり、老人ホームに入らなければならなくなったり、自分が生きているうちからでも活用できるのが大きく違う点です。ただ、愛犬の予想寿命から世話にかかる費用を換算し、一旦それを信託会社などに預ける形となり、契約にかかる費用や、自分で会社を設立するという形をとる場合にはそのための費用やら数十万から100万円単位の費用がかかることになりますので、自分の経済状況をよく判断しなければなりません。

2010年の報告書ではありますが、内閣府の「動物愛護に関する世論調査」によれば、60代でペットを飼っている人は36.4%、70代以上で24.1%となっています。高齢化率は世界一と言われている日本ですから、今後は高齢者とペットとの関係もより熟考されるべき問題となっていくのでしょう。そんな状況にあって、時代が呼んだサービスとも言えます。

何より「信頼できる人」がキーポイント

いずれのケースであっても、要は「人」です。大切な愛犬を任せるのですから、信頼できる相手でなければなりません。遺言や信託を利用するのであれば、愛犬を任せる相手を指定できるわけです。しかし、自分の考えのみでいきなり指定したところで、相手はただ戸惑うだけ。自分の目がない場所でも安心して愛犬を任せることができるという人を見つけ、それに値する関係性を築く努力をすることは何より大切でしょう。犬と暮らしながら、そこには人との関係が不可欠という部分は確かにあります。そして、そういった縁を運んでくれるのも、これまた犬なのではないでしょうか。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。