女の子の「スリム好き」は意外に早い!
「スリムなのがかっこいい」という意識は子供に伝わっていく
実験では、参加した子供達に、12個の形容詞を提示しました。そのうちの6個はポジティブなもの(かっこいい、スマートな…)、6個はネガティブなもの(ひどい、鈍い…)でした。そして、3つの体型(痩せ型、標準型、肥満型)のシルエット写真を見せ、それらの形容詞を当てはめていってもらいました。
すると、どの年齢でも、ポジティブな形容詞を痩せ体型に、ネガティブな形容詞を肥満体型に当てはめる傾向が見られたそうです。
また、別の実験では、9つのシルエット(痩せ型3つ、標準型3つ、肥満型3つ)を見せ、子供達に「一番仲良くなりたいのはどのタイプ?」と聞くと、すべての年齢の子が、痩せ体型のシルエットを選ぶ傾向がもっとも高かったそうです。
つまり、3歳の段階で、すでに「痩せている方がいい」という意識があるということ! 正直、筆者はこの結果に驚きました。あまりにも早くないですか? もちろん、これは世間の声を反映したもの、特に親などの身の回りの人の意識が子供達へと刷り込まれている結果です。
ダイエットの国、ニッポン
「でも、この結果はアメリカだからじゃない?」たしかにそうです。アメリカと言えば、世界2位の肥満国(「Fitness Frenzie」の肥満国ランキングより)。ダイエット信仰が高まるのも当然です。だから、今回の結果は日本には当てはなまらない、とお感じになる方もいるでしょう。しかし筆者は、日本でも同様の結果が出るのではと感じています。なぜなら、日本は、痩せていても、なおもダイエットをする「痩せ信仰」が非常に強い国だからです。
OECD(経済協力開発機構)が行った調査によると、日本の肥満人口は、加盟国中最低だったそう。つまり肥満の度合いを示すBMI値30以上の人の割合がもっとも少ない国だったのです。対外的に見れば、日本人は太っていないんですね。
しかし、キリンビールが行った「健康」に関する調査によれば、ダイエットをしたことがある「ダイエット経験者」は、8割前後! 60代の方こそ5割と少なかったものの、20~50代では、10人のうち8人ほどが、ダイエット経験者だということが分かりました。
次ページでは、「痩せ信仰の低年齢化」について解説します。