日本代表・Jリーグ/Jリーグ 最新コラム

J1各チームの「保有戦力」を数値化、1位に輝いたのは(2ページ目)

今季から2ステージ制となったJ1は、2015年6月27日に第1ステージを終了する。すでに浦和レッズの第1ステージ制覇が決定したが、ここでは独自の戦力分析で各チームの戦いぶりを評価していこう。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

日本代表・Jリーグガイド

保有戦力ポイント1位はガンバ大阪に

それでは、各ポイントを合計したランキングを発表しよう。
まずは上位10チームから。

[1位]ガンバ大阪=355pt
[2位]FC東京=290pt
[3位]浦和レッズ=285pt
[4位]鹿島アントラーズ=240pt
[5位]名古屋グランパス=235pt
[6位]サンフレッチェ広島=220pt
[7位]横浜F・マリノス=210pt
[8位]川崎フロンターレ=195pt
[9位]柏レイソル=140pt
[9位]ヴィッセル神戸=140
pt


上位はいずれも日本代表関連のポイントを多く獲得

1位のガンバ大阪は、日本代表関連のポイントを多く稼いだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(63歳)が率いる最新の日本代表には、GK東口順昭(29歳)、DF丹羽大輝(29歳)、FW宇佐美貴史(23歳)の3人を送り込んでいる。DFの今野泰幸(32歳)と藤春廣輝(26歳)、MF遠藤保仁(35歳)の3人は、2015年に日本代表入りしている。また、今野、遠藤、明神智和(37歳)の3人がW杯に出場しており、国際Aマッチ出場数も「20」を越える。

2位のFC東京は、最新の日本代表にJリーグ勢最多の4人を送り込んでいる。GK権田修一(26歳)、DF森重真人(28歳)、太田宏介(27歳)、FW武藤嘉紀(22歳)だ。権田と森重は、昨夏のW杯のメンバーでもある。

3位の浦和レッズは、GK西川周作(28歳)とDF槙野智章(28歳)が最新の日本代表に名を連ねる。得点源のFW興梠慎三(28歳)は、3月のテストマッチで招集された。

Jリーグの出場機会が多い選手を、浦和は数多く抱えている。100試合以上は10人、200試合以上は4人、300試合以上も4人を数える。

第1ステージ優勝を決めた6月20日のヴィッセル神戸戦で、リーグ戦の出場試合数が100に満たないのは関根貴大(20歳)と武藤雄樹(26歳)のふたりだけだった。7人の控え選手のなかにも、100試合以上の出場経験を持つ選手が4人いた。スロベニア代表FWズラタン(31歳)は100試合に届かないが、Jリーグでプレーするのは4年目だ。日本サッカーに馴染んでおり、神戸戦まで5ゴールを記録していた。優勝を決めた一戦で、チーム唯一の外国人選手がスタメンから外れていた事実は、選手層の厚みを物語る。


続けて、11位以下を見てみよう。

[11位]サガン鳥栖=130pt
[12位]ベガルタ仙台=125pt
[13位]湘南ベルマーレ=105pt
[13位]ヴァンフォーレ甲府=105pt
[15位]アルビレックス新潟=95pt
[16位]モンテディオ山形=85pt
[16位]清水エスパルス=85pt
[18位]松本山雅FC=55pt

11位以下のチームで、(1)と(2)の対象選手はサガン鳥栖の豊田陽平(30歳)だけだ。

(3)と(4)の対象選手も、湘南ベルマーレの坪井慶介(35歳)ひとりしかいない。国際Aマッチ出場40試合の坪井は06年のドイツW杯日本代表であり、J1リーグ出場数も292試合だ。彼ひとりだけで30ポイントを記録する。


ポイントとリーグ戦の順位の関連性は?

それでは、第16節現在の順位表を見てみよう。チーム名のあとの順位は、すでに紹介したポイントの順位だ。

[1位]浦和レッズ(3位)
[2位]サンフレッチェ広島(6位)
[3位]FC東京(2位)
[4位]ガンバ大阪(1位)
[5位]川崎フロンターレ(8位)
[6位]横浜F・マリノス(7位)
[7位]鹿島アントラーズ(4位)
[8位]名古屋グランパス(5位)
[9位]ベガルタ仙台(12位)
[10位]湘南ベルマーレ(13位)
[11位]サガン鳥栖(11位)
[12位]ヴァンフォーレ甲府(13位)
[13位]ヴィッセル神戸(9位)
[14位]柏レイソル(9位)
[15位]松本山雅FC(18位)
[16位]モンテディオ山形(16位)
[17位]アルビレックス新潟(15位)
[18位]清水エスパルス(16位)


保有戦力のポイントは、ほぼ現在の順位に反映
その中で湘南、松本山雅の奮闘ぶりが目をひく結果に

各チームの保有戦力の質や量が、リーグ戦の順位にほぼ反映されていることがわかる。

ポイントで6位の広島には、最新の日本代表選手がいない。とはいえ、DF水本裕貴(29歳)、DF塩谷司(26歳)、MF青山敏弘(29歳)の3人が、2015年に代表へ招集された経験がある。青山は昨夏のブラジルW杯のメンバーで、ストライカーの佐藤寿人は国際Aマッチ31試合出場の実績を持つ。J1リーグの出場試合数が多い選手も揃っており、経験と実績を兼ね備えたチームと言うことができる。

ポイントより順位の高いチームは、広島だけではない。湘南ベルマーレや松本山雅FCの奮闘は目をひく。どちらもJ2から昇格して1年目のシーズンで、独自の存在感を発揮している。

ゲームの勝敗を構成する要素が、選手だけでないのはもちろんである。次回は第1ステージの最終成績を受けて、「監督」について分析していこう。
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