3) 「あなただけじゃない」
いじめの加害・被害ともに、9割の子どもが経験しています
深刻ないじめは、どの子どもにも起こり得ます。
国立教育政策研究所が行ったいじめの追跡調査によると、小4~小6までの3年間に「仲間外れ、無視、陰口」といったいじめは、加害・被害ともに、経験者が9割近くに上ったそうです。
この結果からは、加害者と被害者が大きく入れ替わりながら、子どもたちがいじめを日常的に体験していることがわかります。
自分だけが特別ではなく、だれもがいじめのターゲットになる可能性を持っていると知ることは、自己評価を下げないために大切です。
NGワード:
×「どうしてあなただけが」……自分が特別な被害者であると思わせます
×「いじめられてるなんて、うそでしょう」……被害を否定し、信じてもらえないのだと被害者を追いつめます
4) 「話していい」
いじめに気付いて心配している友達は、必ず近くにいるものです
加害者は巧みに被害者の口を塞ぎます。「大人に言ったら、もっと酷いことになる」と脅したり、そのことをにおわせたりします。
しかし、「密室」の中での暴力は長期化し、エスカレートしていきます。第三者を介入させること、いじめの実態を明るみに出すことが、いじめを深刻化させないためには大切です。
担任に相談できないか、まずは子どもと話し合ってみましょう。担任に介入してもらうかどうかは、加害者との関係やクラスの雰囲気、担任の力量にもよるでしょうが、「身近な大人が知っていて、気にかけてくれている」というだけで、心強いものです。
いじめに傷ついて、おどおどと顔色を見るのは、加害者の思うつぼ。そうしなければ教室にいられない時期もあるでしょうが、卑屈になればなるほど、相手の力は増していきます。いじめの現場には、加害者と被害者の他に「観衆」「傍観者」がいると言われていますが、その中には、被害者を心配している子が必ずいます。
いじめを受けて「つらい」と思うのは当たり前のことで、その気持ちを周りに言っていいんだよ、と伝えましょう。その一歩を踏み出せたことで、友達関係が変わっていくのはよくあることです。思ってもみなかった人と仲良くなれるチャンスかもしれません。
NGワード:
×「がまんしていれば過ぎ去る」……いつまで続くかわからないからつらいのです。それよりも “ 対処できる自分 ” になることを援助しましょう
×「先生に言ってあげる!」……親が先走らず、まずは子ども自身が相談することの後押しをしましょう。親が先生に相談する時は、必ず子どもの許可を取ってから
5) 「あなたの価値は変わらない」
子どもが自分らしくいられる時間を作ってあげましょう
「いじめを受けているのは、あなたの問題ではない」と責任の所在を明確にし、いじめによって、自信をなくす必要はないと伝えましょう。ただ、つらいときは、大人でもそうですが、自分の良さが見えなくなってしまいがちです。ですから、親から伝えてあげましょう。子どもの頃の笑えるエピソードを話してあげたりするのもいいですね。
親が気を使っていることは子どもに伝わるでしょう。でも、それでいいのです。「あなたはあなたのままでステキだ」「私はあなたが大好きだ」と、何度も何度も伝えましょう。
NGワード:
×「いじめに負けるな」……いじめのことを忘れて、その子らしさを取り戻せる時間を作ってあげましょう
いじめは必ず終わります。心に深刻な傷を残さないよう、介入も視野に入れながら注意深く見守り、子どもの気持ちに寄り添っていける親でありたいですね。