オペラ/オペラの楽しみ方

英国王室にも愛された、マオリ族のオペラ歌手の軌跡

透き通る海と白い砂浜。煌びやかなオペラの舞台とは全く結びつかない、ポリネシアアのマオリ族の血をひく歌姫。キリ・テ・カナワの魅力と作品について紹介します。

メサマデロ  アントニオ

執筆者:メサマデロ アントニオ

オペラガイド

マオリ族の伝統

マオリ族はニュージーランドの原住民のポリネシア民族で、独自の言語、習慣、古くからの伝統を誇っています。マオリ族の伝統音楽は、フルート、太皷などの楽器を使って奏でられ、手拍子でリズムを取りながら足で床を踏んで踊るダンスも有名です。マオリ族の伝統は、植民地時代を生き抜き今に息づいています。


「普通」じゃないマオリ族の美声

Isla

美しい自然が育んだオペラ歌手

「マオリ」とは「普通」や「よくある」という意味ですが、マオリ族の血を引くオペラ歌手の美声は、彼らが「普通」の民族ではなく、とても高い文化を有し、繊細な人々であることを教えてくれます。

その好例が、キリ・テ・カナワです。彼女は、外見も美しいソプラノ歌手で、モーツァルト作曲の『フィガロの結婚』の伯爵夫人や、リヒャルト・シュトラウス作曲の『アラベラ』のアラベラ、『ばらの騎士』の元帥夫人と言った人物や、オペラではありませんが同じくシュトラウス作曲の『四つの最後の歌』を誰よりも素晴らしく歌い上げました。


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