「急性硬膜下血腫」とは

頭部外傷で脳出血とよばれる病気は「急性硬膜外血腫」、「急性硬膜下血腫」、「急性脳内血腫」の3つがあります。血の固まりである血腫が脳の組織の直上や脳内に形成される病態です。

硬膜下血腫は脳挫傷ともない脳表面の橋静脈(きょうじょうみゃく)が障害され血腫が発生します。頭部外傷でよくみられる外傷です。
硬膜下血腫

硬膜下血腫は橋静脈が障害され発生します。


硬膜下血腫の分類

外傷から3日以内に意識障害が発生した場合、急性硬膜下血腫と呼ばれます。
  • 急性…3日以内
  • 亜急性…3ヵ月以内
  • 慢性…3ヵ月以降

急性硬膜下血腫の年齢、性差

外傷にともなう血腫ですので、若年の男性に多くみられますし、転倒しやすい高齢者にも多く発生します。交通事故・転落事故・高エネルギー外傷などの大きな事故で発生する場合と、歩行中や階段の転落など軽微な事故で発生することがあります。

急性硬膜下血腫の症状

初期に意識消失などの症状があり、それが持続することが多いです。はじめの外傷で脳挫傷が高度であるとこのような症状となります。はじめは意識がはっきりしていても、血腫の増大にともない意識消失となる場合もあります。ですので、頭部外傷後の意識レベルの経過観察が必要です。

他の症状としては、いままで経験したことのない強烈な頭痛・嘔気・嘔吐・半身麻痺・呼吸停止などの症状が発生します。

急性硬膜下血腫の診断

■CT
頭部外傷の初期検査としてCT撮影を行います。

CT

頭部単純CT像


血腫は静脈からの出血のため徐々に増大し、三日月状の形態となります。脳圧が亢進し、脳脊髄液でみたされた側脳室が圧迫され、縮小します。さらに健常側の脳が圧迫され側方に移動します。

■MRI
脳挫傷の程度をみるためMRIを施行します。

MRI

頭部単純MRI像


MRIでは血腫以外の脳の構造がより明瞭に診断可能です。

急性硬膜下血腫の治療法

保存的な治療と手術があります。

■穿頭血腫除去術
局所麻酔下に骨に小さな穴をあけ血腫を除去します。
穿頭

穿頭血腫除去術


■開頭血腫除去術
開頭手術でまず頭蓋骨を取り出し、その後血腫を除去します。


急性硬膜下血腫の予後

硬膜下血腫の予後は不良です。脳挫傷を合併しているためと考えられます。少しでも早期に脳外科で治療を開始することが必要です。


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