2015年6月の、クラシック音楽のおすすめ新譜CD

2015年6月の、クラシックのおすすめ新譜CDをご紹介!
毎月大量に発売されるクラシックの新譜CD。その中からレコード会社が自信をもってオススメするアルバムをセレクト&オススメコメントをもらい、更にガイド大塚が聴き手としての感想をつけて紹介していきます。2015年5月のオススメはこれだ!
(発売前、発売延期、売り切れなどの場合もございます。ご了承くださいませ。直接CD店に行く場合などはご注意くださいませ)


アバド(指揮) シューベルト:交響曲第9番『ザ・グレイト』

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■レコード会社からのオススメコメント
昨年1月20日、アバド逝去の報は楽壇に大きな衝撃をもたらしました。2000年に胃癌に倒れ、ベルリン・フィルを辞任した後も自ら組織した若手中心のマーラー・チェンバー・オーケストラやモーツァルト管弦楽団の他、ルツェルン祝祭管弦楽団などとの活動は続き、気心の知れた仲間たちとの柔軟な音楽作りは素晴らしい成果を上げていました。そのモーツァルト管弦楽団との最晩年の録音となった説得力溢れる生命の輝きに満ちた演奏です。

■ガイド大塚の感想
極上の柔らかさをもったグレイト。叩きつけるような音は皆無で、美しさがひたすら意識された各楽器の音が合わさり、壮麗な大聖堂を築くよう。個々の楽句が優しく幸せそうに次から次へと生まれ、構成感もしっかりしていて聴き応えも全く問題なし。晩年のアバドは本当に孤高の境地に至っていたと改めて感じる。


ハーゼルベック(指揮) ベートーヴェン:交響曲第1・2番

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■レコード会社からのオススメコメント
無数の名盤がひしめくベートーヴェンの交響曲。200年の歴史をへて大きく変容してきた現代楽器ではなく、作曲家自身が知っていた当時の楽器を、当時の奏法や演奏編成で弾き、作曲家の真意に迫ろうという録音も増えてきましたが……これはウィーンに拠点をおく指揮者ならではの新企画で、古楽器を使うのはもちろん、九つの交響曲をそれぞれの初演会場で「最初の響きどおり」に甦らせる徹底プロジェクト。痛快・刺激的な演奏なのです!

■ガイド大塚の感想
初演の再現は、もぎたての果実のような瑞々しい美味さ! 演奏自体、生気みなぎり、和声のギミックや不協和などのベートーヴェンが斬新に踏み込んだ箇所での当時の客が驚いたに違いない、美しき透明な咆哮のような感じが印象的。1番、2番というとそれ以降の交響曲と比べて大人しい早い作品の印象があるが、共に斬新な野心作だったことを再認識。


ラザレフ(指揮) ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

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■レコード会社からのオススメコメント
このアルバムに収録されたコンサートは大変評判が高く、ラザレフと日本フィルハーモニーの歩みが、大きな実を結んだ内容となりました。会場の熱気と溢れる迫力が、十二分にお楽しみいただけるでしょう。また、緊迫感のある表現、繊細な音色、パワフルなアンサンブルなどが共存する音楽は、聴くものを圧倒します。日本フィルは数年に渡り良好なタッグを組んできたラザレフのタクトに見事に応え、確かな躍進を遂げたことを証明しています。

■ガイド大塚の感想

気合の入った好演。1楽章は特に冒頭からテンポが速く、とにかくタイトな引き締まった演奏。妥協を知らぬプレストのフガートの迫力は手に汗を握る。日フィルも意地でも付いていく熱演っぷり。終楽章までグロテスクなフォルテでのパワー放出と沈鬱さを明確に対比させ、充実している。
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ロト(指揮) シャブリエ:狂詩曲「スペイン」、ラヴェル:道化師の朝の歌、他

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■レコード会社からのオススメコメント
「春の祭典」と「ペトルーシュカ」の時代楽器による録音で、レコードアカデミー賞大賞を受賞し、一世を風靡した奇才指揮者フランソワ=グザヴィエ・ロト。期待の新譜はフランスの作曲家の目を通したスペイン。両国はピレネー山脈を挟んで隣同士ながら、音楽の印象はかなり違います。このテーマの代表作、シャブリエの狂詩曲「スペイン」や、目からうろこの「道化師の朝の歌」など、聴きどころ満載の1枚です!

■ガイド大塚の感想
またしてもロトが名演を! シャブリエは、空気が澄んでスペインの大地がクリアに眩く見えるよう。力で押すのではなく、自然に大きく起伏に富み、なめらか。弦のドルチェのメロディーなど、楽譜通りに均一に弾くのではなく、フレーズに間を入れることで歌として自然な流れを作っている。全編、とにかくリズムが立っていて、リズムとバランスとピッチが正確ゆえ、すぐに消え入るピアノでもよくはっきりと聞こえ、きれいに消えていって明るく気持ち良い。中でも特筆すべきは端整な美を湛えたラヴェルで、テンポを落としたバスーン・ソロのバックの演奏など絶品の甘い表現。オーケストラ全体がクレッシェンドでスケールを駆け上る際など、絵筆から絵の具が飛ぶようなハッとする美しさで、ロトはなんでこんなことが可能なのかと驚く。彼による音楽の革新はまだまだ続きそうだ。