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ジャンル別、韓国時代劇の見どころ(2ページ目)

「宮廷女官チャングムの誓い」をきっかけに、日本でも急速にファンを増やした韓国時代劇。その魅力は、ジャンルの豊富さにあります。

安部 裕子

執筆者:安部 裕子

韓国ドラマガイド

史実にドラマチックさを加えた創作時代劇

実存する人物を描きながらも、史実にとらわれることなくエンターテンメント性を加えた創作時代劇。現代風にアレンジされた言葉つかいや、恋愛要素ももりこまれたドラマチックなストーリーは、老若男女から愛されるため、大変人気の高いジャンルです。

このジャンルが盛んに制作されるようになったのは、1999年のドラマ「ホジュン~宮廷医官への道」の大ヒットがきっかけでした。朝鮮一の名医と言われた医師ホ・ジュンの波乱万丈な人生をスリリングかつ感動的に描いたこのドラマは、なんと最高視聴率63.7%を記録。韓国人で見ていない人はいないといわれるほどで、漢方薬ブームなどの社会現象を巻き起こしました。このドラマを演出したイ・ビョンフン監督は、続いて「商道」「薯童謠(ソドンヨ)」「宮廷女官チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」「馬医」をヒットさせ、韓国時代劇の巨匠と呼ばれるように。イ・ビョンフン監督作品以外にも、高句麗を建国した英雄の物語「朱蒙[チュモン]」や、元への貢女という境遇から皇后にまで上り詰めた女性の壮絶な生涯を描いた「奇皇后」などが大ヒット。近年、高視聴率を記録した時代劇はこのジャンルのものが多いです。

 

自由な発想を生かしたフュージョン時代劇

時代背景のみを生かし、他の部分はほとんどフィクションであるフュージョン時代劇。フュージョンとは“2つ以上のものを融合すること”という意味で、韓国では多国籍料理のことをフュージョン料理と呼ぶくらい根付いた言葉です。

つまりフュージョン時代劇も、時代劇にさまざまな要素を加えたもので、ラブロマンス時代劇、推理捜査時代劇、ファンタジー時代劇…といった具合に、多種多様な時代劇があります。史実よりもストーリー重視で娯楽要素が強いため、主な視聴者層は10代~40代あたりと狭くなりますが、時代劇が苦手な人でも、このジャンルならば楽しめる作品が多いと思います。

中でもロマンス時代劇は日本の韓流ファンに大人気。朝鮮時代の架空の王と巫女の禁断の恋を描いた「太陽を抱く月」や、タイムスリップによる時空を超えた恋が描かれた「屋根部屋の皇太子」「イニョン王妃の男」。朝鮮時代版ロミオとジュリエット「王女の男」。女子禁制の名門校・成均館に入学したヒロインと、国の未来を担う若きエリートたちとの恋と青春を描いた「トキメキ☆成均館スキャンダル」などがオススメ作品です。

また、このたび結婚報道で話題を呼んだヨン様ことぺ・ヨンジュン主演の「太王四神記」も最高視聴率36%を記録したヒット作。朝鮮建国の神話をモチーフにしたファンタジー色の強い時代劇で、ヨン様ファンならずとも興味深い作品です。

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