肩こりに悩むのは日本人だけなのか
鞄を肩にかけると肩がこる、肩に力が入って肩こりになるなど、肩こりを意識する機会が多いですよね
厚生労働省の『』国民生活基礎調査では、相変わらず「肩こり」が体調不良の上位に上っています。調査の度に悩まされている人が増えているような印象を受け、まさに「国民病」といえるでしょう。
一方で、海外では「肩こりが存在しない」という噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実際のところどうなのか、 日本と海外の肩こり事情を比較してみましょう。
海外にはない「肩こり」という概念、しかし「筋肉のコリ」はある
はじめに結果からお話ししますが「肩こりがあるのは日本人だけか?」の回答はNOです。いわゆる「肩こり」は首から肩、肩甲骨付近、背中といった範囲で、血流の滞りや筋肉の緊張がみられ、張りや重だるさ、痛みなどを感じる状態です。日本ではこうした状態を「肩こり」という言葉で表現しますが、海外では「肩がこる」という概念がないのです。そのため、日本人の言う「肩こり」という状態がうまく伝わりません。しかし、同じ人間ですから、人種による体格などの差はあれど、体の基本的な構造は同じです。海外の人々も様々な要因で、日本人が言うところの肩こりが生じる範囲で、筋肉の緊張状態は起こります。その場合は「肩こり」に代わる表現として「首がこった状態」という「Stiff Neck」という言葉が使われます。
「肩こり」の「肩」はどの範囲を指しているのか
「肩」はどの範囲を示すのか、そもそも日本人と海外の人々との認識が異なるのかもしれません
「肩」がどの部位を示すのかによっても「肩こり」の伝わり方は全く変わります。海外では「肩」といえば、関節を指し、腕の骨が肩甲骨と繋がる部位です。
日本人は、首や肩甲骨周りといった広い範囲のこりを「肩こり」と表現する一方で、肩関節付近の狭い範囲の痛みを「五十肩」「肩を痛めた」と表したりします。厳密な「肩」の範囲に捉われずに言葉が使われているのかもしれませんね。こういった言葉の細かな違いも、体の不調を表現するときの違いにつながるのかもしれません。
プライベートタイムを大切することも肩こり予防につながる
勤務時間内は仕事に集中し、帰社した後にプライベートタイムを楽しむ時間が持てると肩こりが減るのかも!?
そして、仕事とプライベートをきっちりと分けているという話しもありました。時間のめりはりをつける意識も、肩こりを感じさせない理由かもしれません。プライベートタイムを充実させ楽しめるように、家庭に仕事は持ち込まない、また、なるべく残業にならないよう勤務時間内に集中する、という考えのもと、日々を過ごしているとのことです。
重力に逆う筋肉が疲労しやすいのは世界共通
すべての人が、身体やメンタル的なストレスを回避できる状態ではないにしても、自身が快適に過ごせるにはどうしたら良いかを考え、できるところから変えていくことで、肩こりエリアの筋肉の過度な緊張は予防できるかもしれませんね。首や肩甲骨周りの筋肉で頭や腕の重みを支えながら、姿勢を保持するために重力に逆らっている状態は、日本でも海外でも変わりはありません。重力に逆らい筋肉疲労を起こしやすくする原因が、職場環境・仕事量・人間関係・運動不足・睡眠不足・楽しいと思える時間を持つことができない、といった様々なストレス要因と絡んでくるのです。こういった問題が解消されにくいと、首や肩甲骨周辺、背中の筋肉がこわばってしまう可能性が高まります。
健康意識を高めることで肩こりも予防できる!
症状が表れる前に体をメンテナンスしておくと肩こり予防につながります
仕事が多忙であれば、少々の疲労は仕方ないと頑張ってしまう方も少なくないと思いますが、筋肉が過剰に緊張してコリが生じているということは、心身をリラックスさせてください、というサインでもあるのです。
ツライと感じる前にマッサージで筋肉をほぐし、意識的に体を休める時間をつくるなど、健康管理する意識が高まると日本人の肩こり事情にも変化が出るかもしれませんね。