アート・美術展/アートの楽しみ方入門

こんなところにアート作品!? ~街中編~(2ページ目)

街中を歩いていても、気が付きにくいアート作品って、実はたくさんあるんです。今日はアーティストの矢津吉隆さんに、京都市街にひそんでいるアートを教えてもらいます。

藤田 千彩

藤田 千彩

アート ガイド

アートライター。大学卒業後、OLを経て、一般・美術専門を問わず、雑誌やウェブサイトに美術を書く・伝える仕事http://www.artplus-inc.com をしています。アートマガジン「PEELER」http://www.peeler.jp 主宰。

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パブリックな場所だからこその問題点

作品を鑑賞する矢津吉隆さん

作品を鑑賞する矢津吉隆さん


 
矢津「それにしても、作品の痛みがひどいですよね」
藤田「風雨にさらされたり、きつい日光が当たるからでしょうか」
矢津「どこの管理かわかりませんが、京都市のホームページには作家名も書いていないし、おそらくメンテナンスをすることまで考えられていないのでしょう」


いまの街中に必要なアートとは

藤田「もし矢津さんに『交差点にアート作品をつくってください』というオーダーが来たらどういう作品をつくりますか?」
矢津「僕も立体作品をつくっていますが、いまの京都で、街中にパブリックアートとして常設の作品を置くことが必要でしょうか?もしその予算があるなら、公園を整備するとかコミュニティに入っていくようなものにつかうべきだと考えます」

そんな矢津さんが次に連れて行ってくれたのは、今年2015年1月末にできたという「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」(以下、クマグスク)。
矢津「このクマグスクは僕が運営しています」

KYOTO ART HOSTEL kumagusukuundefined室内

KYOTO ART HOSTEL kumagusuku 室内


 
これまで美術館やギャラリーで展覧会をしても、矢津さんは作品を見た人から直接的な反応を感じたことが少なかったり、お金が儲かるわけでもない、と感じていたそうです。

矢津「2010年にあった瀬戸内国際芸術祭に行ったとき、島の中に作品があることだけでなく、船で島に渡ることやホテルに泊まること、お風呂に至るまでアート鑑賞の延長線になっていて、地元の人たちとアートの距離を近く感じました。僕のベースである京都でも、美術館やギャラリーといったアート作品が隔離された場所ではなく、身近なところにアート作品があるという環境をつくりたい、ということから、ホテルとアートを組み合わせてみようと思い立ったのです」

矢津吉隆さん

矢津吉隆さん


 
ホテルの室内や共有スペースには、キュレーターが選んだアート作品が置かれています。
矢津「つまり『展覧会に泊まる』ということなのです」

街中の、意外なところにアートはあるものですね。



KYOTO ART HOSTEL kumagusukuの今後の予定
■2015年9月末まで「光の洞窟」展
■2015年10月~2016年9月 藤本由紀夫展(仮)
※詳細はHPにてご確認ください。

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