乳児育児/赤ちゃんの心と体を育てる遊び

みんなと一緒の遊びができないと親子遊びの場はNG?

子どもによい刺激になればと思い参加した、親子遊びの場。他の子たちは絵本に関心を示したり楽しそうに手遊びなどをしているのに、我が子は関心が低かったり一緒に遊びたがらなかったりしたことはありませんか? 親としてはがっかりしてしまうこともあるかもしれませんが、一歩退いてお子さんの様子を見てみましょう。受けた刺激、感じた楽しさを、その子なりの形で表現している場合もあるんですよ。

執筆者:千葉 美奈子

張り切って参加した親子遊びの場で、無関心、協調性なし?に見える我が子

1歳を過ぎて1人歩きが始まり、意欲をもって行動したり、自分が好きな遊びに1人で集中したりする姿を見ると、近い年頃の他の子たちと交流する中で色々な刺激を受けてもらえたら嬉しいなと思うもの。地域の親子遊びの場などに参加してみようと思う方もいることでしょう。子どもが生まれるまでは住んでいる地域で行われている特に親子イベントの存在などは知らなかった方も多いでしょうし、初めてこういう類の場に参加するのは、親の方が結構緊張します。

その緊張を振り払って思い切って参加した場なのに、子どもがなじめず泣き出してしまった、泣き出すまではいかないけれど反応があまり感じられなかったり、他の親子たちが一緒の遊びをしている周りを、我が子は楽しげにただただ走り回っていた、という経験を持つ方もいると思います。親としてはがっかりしたり、再び参加することをためらってしまうこともあるようです。


3歳前後までは「平行遊び」が多い時期

親子遊び1

みんなと一緒の場にいても、交流というよりそれぞれで遊んでいる「平行遊び」の時期

しかし、その段階でお子さんのタイプに特定のイメージを持ってしまうのは、早すぎます。3歳前後までは、他の子と一緒にいてもそれぞれが独立して遊んでいるような「平行遊び」の時期。その中で少しずつ、他の子の様子をじっくり観察したり、「他の子と一緒にいると楽しい」「一緒に遊んでみたいな」などの感情が育っていくのです。

私は6年ほど、1~3歳ぐらいの子を対象にした親子のリズム遊びの場を担当してきていますが、この年頃は特に、初めての場所が苦手な「場所見知り」が強い子もいます。また、みんなが絵本の読み聞かせや手遊び、ふれあい遊びなどに参加している周りを、元気に走り回っているような子もいます。初参加の子に限らず、何度も参加してくれているのに、モジモジしてお母さんのひざの上から、こちらの様子をじっと眺めている子もいます。「うちの子にはちょっと早かったのかなあ」、そうおっしゃって帰られたお母さんとお子さんが、数ヵ月後にまた参加してくださり、見違えるほど遊びに食いつく様子に喜んでくれたケースもあります。


「みんなと同じことをやらない」=「興味がない」というわけではない

みんなが遊んでいる周りを元気に走り回っているような子は、それだけその場でリラックスしている証拠。また、お母さんのひざから離れず手遊びを紹介するこちらの様子をじっと眺めているような子の中には、観察眼鋭く、周りの様子を見ていたりします。一見正反対に見えるタイプのお子さんのお母さんたちから、「この場を楽しみにしていて、ここでやった遊びを家に帰ってやってみせてくれたり、親子で楽しんでいたりするんですよ」というお話を何度も聞きました。気持ちの表現の仕方は、十人十色のようです。それぞれのお子さんのスタイルで、場の雰囲気を味わっていることもあるのですね。

そして、「みんなと一緒にやらない」ということは、裏返すと、意思がはっきりしていて、自分がその時やりたいことをよくわかっているということでもあります。みんなと一緒が苦手な一方、自分が好きなことを発展させて、一人遊びの中で創意工夫の世界を広げていくタイプの子もいます。それもまた、伸ばしてあげたい個性です。

>>>一緒に参加する大人も楽しめていますか?
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