サブスクリプション型ソフトウェアとは何か
多くのメーカー製パソコンには、通常、Microsoft Officeや画像編集用などのソフトがあらかじめインストールされている。もし、これ以外に必要なソフトがあるなら、家電店などでパッケージを購入するか、インターネットでダウンロード購入する。このようなソフトウェアの販売形態は「パッケージ型」といわれ、今でも主流の販売形態である。パッケージ型は、いわばユーザーの「買い切り型」で、負担は最初の購入の際にだけ発生する。ソフトをバージョンアップする場合などには料金が発生するが、登録ユーザーには割安で提供されるため、初期費用が最も高くなるのが普通だ。
一方、最近では「サブスクリプション型」とされるソフトの販売形態が広がってきた。サブスクリプションとは、「定期販売」というような意味だ。後述するように、ソフトを開発するメーカー、利用するユーザーの双方に理由があるのだが、高速なネット接続が「当たり前」になったことが大きな背景だ。
サブスクリプション型では、月間あるいは年間契約の料金を支払うことで、ソフトを利用できる。いわば、期限付きの使用権(ライセンス)というべきもので、同じ期間にサポートも受けられる。期間内にソフトがバージョンアップした場合でも、追加料金は発生しない。契約期間だけソフトを使えるので、レンタルする感覚に近い。
ユーザーはクレジットカードなどで利用契約を結び、ソフトをネット経由でダウンロードする。何らかの事情で支払が滞れば、開発側からの「警告」が表示されたり、利用が停止される。
サブスクリプション型で販売されているものは、ソフトだけではない。雑誌や健康食品の定期購入はこの原形といえ、定額料金で「聴き放題」の音楽配信サービスもサブスクリプション方式と呼ばれる。法人向けのシステムソフトウェアには、以前からこのような販売形態を取っているものが多い。
こうした販売形態が、個人ユーザー向けにも広がってきたことになる。今回はサブスクリプション型ソフトを利用する際の注意点について、解説したい。
有力なサブスクリプション型ソフトを紹介