LINEは若者層を中心に広く普及している
しかし同時に、LINEでは様々なトラブルが起きています。今回は、LINEの10代における利用率と、LINEで子どもに起きるトラブルの3つのパターンをご紹介します。
インフラ化するLINE
リサーチバンクのLINEに関する調査(2014年8月)によると、スマートフォンユーザーの72%がLINEを利用しています。10代男性においては86.2%、10代女性に限っては何と93.8%と、特に利用率が高くなっています。最近、学校に訪れると、必ずと言っていいほどLINEの話題が出ます。早ければ小学校中学年から、「LINEがやりたいからスマホがほしい」とねだり始めます。本当はLINEはスマホでなくてもできるものの、スマホの方がLINEが快適に使えるためです。
中学生くらいになると、「部活の連絡網がLINE」「クラスの仲良しグループは全員LINE」という状態となります。LINE関連のトラブルをニュースで見て渋っていた保護者も、利用を許可せざるを得なくなるケースが増えてきます。
高校生になると、利用率はほぼ100%。高校生や大学生に聞くと、そのほとんどが「同じクラスの友だちでも携帯電話番号とメアドは知らない。知っているのはLINEだけ。ブロックされたら連絡ができない」と言います。「クラス発表があった瞬間、クラスのLINEグループ、男女それぞれのグループができる。実際に授業が始まる前にLINEでやりとりして既に仲良くなっている」。大学生になると、「ゼミの連絡網がLINE」というところも増えます。
最早、10代においてはLINEは電話やメールに代わる“インフラ”です。10代にとっては、学校から帰った後も友だちとつながることができる必須のコミュニケーションツールなのです。
LINEで起きるトラブルの3パターン
LINEで起きる問題には3つのパターンがある
LINEにおける主な問題のパターンは以下の通りです。
1:LINEいじめ
コミュニケーショントラブルからいじめに発展することが多く、リアルのいじめとLINEいじめは連動しています。多く小中学生から専門学校生まで幅広い年齢で起きています。
2:LINE依存
睡眠時間や学習時間を削って利用し、依存状態となります。遅刻・欠席が増え、体調不良、学業不振などにつながるケースも。ネット依存外来を持つ医師によると、LINE依存での通院例が増えています。
3:出会い系被害
非公式のID交換掲示板経由で出会い系被害に遭う例が増えています。警察庁発表の「平成26年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する次版の現状と対策について」で、「平成25年以降、無料通話アプリのIDを交換する掲示板に起因する犯罪被害により増加傾向にある」と明記されています。
ただ禁じるのではなく正しい使い方の指導を
「LINEは怖いから禁止したい」という保護者はいます。子どもが小学生など低年齢だったり、子どもの周囲に利用者が少ないうちは利用させないこともできますが、年齢が上がっていき周囲が使い始めると、難しくなります。一度利用し始めたものをやめさせるのはさらに難しいので、利用し始める前にルールを徹底させましょう。また、子どもの利用を単純に禁止しても、保護者に隠れて利用したり、違うツールで類似の問題を起こす可能性があります。LINEはただのツールであり、LINEに問題があるのではありません。ネットやサービスの正しい使い方を指導し、ルールやマナーを身に付けさせることこそが、実情に合った効果的な手法なのではないでしょうか。
次回以降、LINEにおける個別のトラブルの実態と対処法などについて解説していきます。